今回は、障害年金についての質問です。
Q:障害等級3級の障害認定を受けて月6万5000円弱の支給を受けています。老齢厚生年金に変更を申請したほうが支給額は多くなる?
「1961年6月生まれの63歳の男性です。2024年12月より障害等級3級の障害認定を受けて月6万5000円弱の障害厚生年金の支給を受けています。老齢厚生年金に変更を申請したほうが支給額は多くなるのでしょうか?」(じろさん)A:繰り上げた老齢基礎年金と老齢厚生年金のほうが障害等級3級の障害厚生年金より金額が高い可能性もありますが、繰り上げ請求はあまりおすすめしません
2024年12月より障害等級3級の障害認定を受けて障害厚生年金を月6万5000円弱とのこと。障害等級3級の障害厚生年金は非課税ですし、どんなに収入が高くても、在職老齢年金の仕組みによる支給停止にはなりません。老齢基礎年金と老齢厚生年金は、原則として65歳から受給権が発生します。相談者「じろ」さんの生年月日なら、65歳から受給できます。ところが63歳現在で老齢厚生年金を請求すると「繰り上げ請求」となります。繰り上げた老齢基礎年金と老齢厚生年金のほうが障害等級3級の障害厚生年金より金額が高い可能性もありますが、繰り上げ請求はデメリットも多くあまりおすすめしません。老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰り上げる必要があり、65歳以後も一生涯減額されてしまいます。
65歳になるまで障害厚生年金を受給し、65歳に本来の老齢基礎年金と老齢厚生年金を請求してはいかがでしょうか?
ちなみに今後、厚生年金に加入しても加入しなくても、障害等級が上がらない限り障害年金の支給額は変わりません。
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銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))