被爆地の広島と長崎ではノーベル平和賞授賞式のパブリックビューイング(PV)が行われ、メダル授与の場面では、会場から大きな拍手が湧き起こった。市長らも参加し、受賞の喜びを市民らと共有するとともに、核兵器廃絶に向けた思いを新たにした。
広島市中区の平和記念資料館(原爆資料館)で開かれたPVには、被爆者ら約300人が参加。授賞式開始前、松井一実市長が「核兵器廃絶の機運の高まりを大きく後押しする」と祝意を述べたのに続き、15歳で被爆した切明千枝子さん(95)も「(受賞で)私たち被爆者は本当に大きな喜びも勇気も持った。みんなで力を合わせて平和を守っていきましょう」と呼び掛けた。
授賞式が始まると、真剣な表情で大型スクリーンを見詰め、メダルなどが授与された場面では、参加者から大きな拍手が湧き起こった。
長崎市役所でも、市長らを含め約160人が参加してPVが開かれ、大きな拍手で受賞をたたえた。
鈴木史朗市長はあいさつで、受賞を契機に「核兵器のない世界の実現に向けた大きなうねりをつくっていく」ことを呼び掛けた。長崎原爆被災者協議会の柿田富美枝事務局長(71)は「本当に感動している」と喜びを語った。
パブリックビューイングでノーベル平和賞授賞式の様子を見守る市民ら=10日午後、長崎市役所