皆さん、ふるさと納税はもう済ませましたか? まだの方に向けてご提案です。もしおトクを極めたいなら絶対に「定期便」の返礼品から選ぶべき!? 識者に各ジャンルでオススメの寄付先を聞いてきた!
■定期便がオススメなワケ
ふるさと納税の締め切りが近づいている。ふるさと納税とは全国の自治体に寄付することで、寄付額から自己負担額の2000円を引いた分が所得税・住民税から控除され、さらに返礼品をもらえるおトクな制度だ。
全国の自治体が食料品や日用品、名産品などさまざまな返礼品を用意しており、居住地にかかわらず自由に寄付先を選択できる。
ふるさと納税は1年区切りになっており、制度としては12月31日が締め切りだが、自治体によっては12月中旬に締め切りを設定していることもある。つまり、今年のふるさと納税はそろそろ終わってしまうのだ。
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そこで、ふるさと納税のやり方について、ファイナンシャルプランナーの藤原久敏(ひさとし)氏に聞いた。そもそもトクになるのはどういう人?
「世帯構成などによって差はありますが、年収300万円以上の方なら利用したほうがいいですね。総務省の『ふるさと納税ポータルサイト』に年収や家族構成に応じた控除限度額、つまり寄付限度額が掲載されているので、まずは自分の限度額を調べましょう」
例えば年収500万円で共働きの人なら、控除限度額は6万1000円となる。寄付できる金額の上限がわかったら、あとはふるさと納税のポータルサイトで返礼品を探して申し込もう。
やや面倒なのが確定申告だ。ふるさと納税をすると各自治体から「寄付金受領証明書」が届くので、通常はそれを確定申告書と併せて税務署に提出する必要がある。
「ただし、もともと確定申告が不要な給与所得者で、かつふるさと納税の寄付先が1年間で5自治体以内の人は『ワンストップ特例制度』を使えば、手続きを大幅に省けます。この場合は、寄付した各自治体に簡単な申請書を書いて送れば手続きは完了です」
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条件に当てはまる人なら、この制度を利用したほうがはるかにラクになるはずだ。ちなみに、自治体に送る申請書の送付期限は翌年1月10日必着なので気をつけよう。
返礼品は非常に種類が多いので、どれにすべきか迷ってしまうという人も少なくない。そこで本誌がオススメするのが、定期便形式の返礼品である。今後も物価が上がると予想されているが、定期便を今申し込めば、実質的に現在の物価で将来の品を買えることになるからだ。
また、飲料やトイレットペーパーなどのかさばる物品を頼んでも、定期便なら数回に分かれて届くので、置き場所にも困らないというメリットもある。どれを選べばいいか迷ったら、日常的に使うものを定期便で選ぶのがシンプルでオススメだ。
■年が明けたら来年分もすぐ済ませよう!
ここからは藤原氏に加え、ふるさと納税比較サイト『ふるさと納税ガイド』管理人の福田航太氏に、定期便のオススメ返礼品を紹介してもらおう。
まずは返礼品の定番、お肉から!
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「佐賀県有田町の『佐賀牛』定期便なら、日本を代表する極上のブランド牛を6回に分けて味わえます。ロースブロック、カルビ焼き肉、しゃぶしゃぶ用スライス、ハンバーグなど毎回違う品が届くので異なる味わいを楽しめるのも魅力ですね。
極上の霜降り肉の贅沢なうまみ、そして舌の上でとろける絶妙な柔らかさをぜひ楽しんでください」(福田氏)
牛だけでなく、豚も食べたいならこちら。
「宮崎県串間(くしま)市の『宮崎牛・宮崎豚』もオススメです。5年に1度開催される和牛のオリンピック・全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を4大会連続受賞している宮崎牛と、畜産王国である宮崎産の豚が計6回届きます。
こちらもロース、バラ、モモなど、毎回異なる種類の肉が届きます」(藤原氏)
お肉の次は海の幸!
「オススメは高知県須崎(すさき)市の『厳選鮮魚の刺し身』です。申し込み後、翌月から6ヵ月連続で新鮮なタイ、ブリ、カツオ、カンパチなどが届きます。異なる種類の魚が届くのは、定期便ならではの楽しみといえるでしょう。
素材の味をお刺し身でそのまま楽しんでもよし、カルパッチョや漬け丼、しゃぶしゃぶにするなど、いろいろな味わい方ができます。家族構成に合わせて小容量コース(寄付金額7万5000円)と大容量コース(10万円)を選べるのもうれしいですね」
食生活が偏りがちな人には野菜の定期便もオススメだ。
「佐賀県鹿島(かしま)市の『旬のお任せ野菜BOX』なら、8〜10種類ものバラエティに富んだ新鮮な野菜が12回届きます。何が届くかは毎回のお楽しみなので、お野菜に合わせて料理を作るのも楽しいと評判です」
これまた定番ジャンルのフルーツはどうか?
「普段、自分ではなかなか買わない高級果物を返礼品に選ぶという人もけっこういます。私のオススメは静岡県袋井(ふくろい)市の『クラウンメロン』ですね。クラウンメロンは半世紀にわたって改良を重ねた門外不出の種で、『メロンの王様』と評される最高峰マスクメロンです。
1本の木に1玉だけを厳選して育て、太陽、水、土の栄養を集中させて温室で丁寧に栽培しているので、しっかりとした甘みがあり、香りが豊かでみずみずしい贅沢な味わいになっています」(福田氏)
飲料を普段から定期的に購入している人も多いだろう。
「近年人気が高い炭酸水なら『財寶(ざいゆう)温泉強炭酸水500ml×24本』の定期便があります。古くから水の名所として知られる鹿児島県垂水(たるみず)市の温泉水で作られた強炭酸水です。
そのまま飲んでも爽やかでおいしいですし、ハイボールやチューハイ、サワーなどの割り水として使うとお酒の味をより引き立たせてくれますよ」
最後は日用品! ティッシュやトイレットペーパーも定期便の定番だ。
「岩手県大槌町(おおつちちょう)の返礼品には三菱製紙の『ナクレ トイレットペーパー(シングル)96ロール』の定期便があります。日用品であり防災用品でもあるトイレットペーパーは、いくらあっても無駄にはなりません。バージンパルプ100%使用なので柔らかく、肌触りも良いので普段使いにぴったりです」(藤原氏)
福田氏からは、湯船に漬かる日が増えた冬場にピッタリな返礼品が挙がった。
「普段使いといえば、山形県酒田市の返礼品には『花王バブ アソート(3箱)』の定期便があります。夏は『エクストラクール』、秋は『至福の果実めぐり浴』など、季節に合わせた入浴剤の詰め合わせが年に4回届きます」
なお、来年10月にふるさと納税の制度が改正される。現在、ふるさと納税をする際はポータルサイトを利用するのが一般的で、申し込み時には各サイト独自のポイントが還元されるようになっている。
ところが来年10月からは独自ポイントの付与が禁止になるのだ。つまり来年のふるさと納税は、9月までに済ませないとポイント還元が受けられないことになる。
そのため、今月中に今年のふるさと納税を終えた後、年が明けたらすぐ来年分も済ませてしまうのがオススメだ。寄付額の値上げは頻繁に行なわれているため、9月まで待つより1月に申し込むほうが圧倒的にトクできる。
定期便は寄付額の単価が比較的高いが、2年分の寄付限度枠を合算すれば、食費や生活費の節約に十分なるはずだ!
*データはいずれも12月10日時点
取材・文/伊藤将史 イラスト/渡辺貴博