F1最終戦アブダビGP後、ヤス・マリーナ・サーキットで行われたF1合同テストに、レッドブルとホンダの育成ドライバーである岩佐歩夢がRBのルーキー枠から参加した。RBの2024年型マシンVCARB 01で一日を通して走った岩佐が、チームからの反応、今回のテストの重要性などについて語った。
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──12月6日のアブダビGPのフリー走行1回目(FP1)と今回のテストの違いは何でしたか?
岩佐歩夢(以下、岩佐):FP1は60分しかないのに対して、テストは9時間あるので、FP1ではできないようなトライをさまざま組み込みました。午前中から午後のセッションの前半までは、そのメニューをこなしていました。
──FP1では新しいフロントウイングを試していましたが、今回はどうだったのですか?
岩佐:フロントウイングは従来型だけを使いました。先週のFP1でも比較するために新しいのと従来型を試していました。従来型のほうが乗りやすさもありましたが、新しいほうにもいいところはありますが、同時に悪いところもありました。新しいのを使用したからといって、すぐに良くなるというよりは、新しいウイングとともに何ができるのかというのが大切で、新パーツをポン付けしたからといって、すぐに効果は出ません。今日のテストではいろんなアイテムをトライしていたので、新しいウイングを使いこなすためどうしたらいいのかを、これからチームが分析していくんじゃないかと思います。
──スーパーフォーミュラのマシンとの違いについてはどう感じましたか?
岩佐:もちろん、ダウンフォースも違うし、パフォーマンスの高さも違います。まったく違うクルマなので、どこがどう違うという比較するというよりは、僕の中では分けて考えています。だから、今回のテストでもスーパーフォーミュラではなく、昨年のアブダビテストと4月の鈴鹿でのFP1と8月のイモラでのTPCの延長線で走らせていました。F1での経験が増えた分、余裕も生まれてきたと思います。
──ベストタイムを出したときの状況について教えてください。
岩佐:新品タイヤですが、1アタックだけでなく、ダブルクールを挟んでの2回アタックだったので、それなりの燃料は積んでいました。
──チームからはどういう反応が得られましたか?
岩佐:アラン(・パーメイン/レーシングディレクター)からは、「インプレッシブだった」と言われました。ベストタイムだけでなく、ロングランでの安定性とか、テストの内容も含めて、総合的に高い評価をいただきました。
──1年間ヨーロッパを離れていましたが、このテストで日本での1年間で成長していることを実感しましたか?
岩佐:クルマの感じとり方やフィードバック能力という点では、F1もスーパーフォーミュラも変わりはないので、スーパーフォーミュラでの経験も今回のF1のテストに生かされていた部分もあると思うし、このF1での経験がスーパーフォーミュラにも生かされると思います。
──今後はこのテストの経験がRBのF1のシミュレーターにも生かされるでしょうか?
岩佐:限りなく実車に近づけてテストするのがシミュレーターなので、この実車での経験がシミュレーターにも生かされると思います。