今週も引き続き「中山・京都・中京」の3場開催。
重賞は、土曜日に牝馬のハンデ戦・ターコイズS(GIII・中山・芝1600m)。そして日曜日には朝日杯フューチュリティステークス(GI・京都・芝1600m)が京都競馬場で行われる。
過去10年データを使って馬券ヒントを見つけるこのコーナー。今週は、来年のクラシック戦線を占う意味でも重要な一戦となる朝日杯FSの狙いどころを探していこう。
*過去10年データはすべて阪神競馬場開催分です
1.上位人気はそれなりに信用できる?
いつものようにまずは上位人気馬のチェックから。
朝日杯FSでの1番人気馬は過去10年で5勝。昨年もジャンタルマンタルが勝っている。成績は[5-2-2-1]で馬券圏内率90パーセント。数あるGIのなかでも抜群に成績が良い。
2番人気馬は2勝、成績は[2-3-1-4]で馬券圏内率60パーセント。こちらも成績としてはまずまず良い。一方、3番人気馬は1勝、成績は[1-1-2-6]。やはり人気が下がるほど順当に成績は下がる。
上位3頭の人気馬以外での勝利は、6番人気と7番人気馬が1勝ずつ。過去10年で8番人気以降の馬は勝っていない。
2.ヒモ荒れなら可能性あり?
断然1番人気馬が強いレース。しかし2着・3着に人気薄馬が絡むこともある。
過去10年、9番人気以降の馬では5頭が馬券圏内になっている。
19年 3着グランレイ(14番人気)
18年 2着クリノガウディー(9 番人気)
16年 3着ボンセルヴィーソ(12番人気)
15年 3着シャドウアプローチ(11番人気)
14年 2着アルマワイオリ(14番人気)
グランレイは前走が未勝利戦(京都・芝1400m)1着からの人気薄。だが、ボンセルヴィーソは前走GIIデイリー杯2歳S2着、シャドウアプローチは前走GII京王杯2歳S3着、アルマワイオリは前走GIIデイリー杯2歳S4着と、それぞれ前走は重賞で好走していたタイプ。一方、クリノガウディーだけは、前走GIII東京スポーツ杯2歳Sで12番人気7着からの巻き返し。全体的にみれば、前走好走している人気薄は2・3着要員としては押さえても面白いということ。ちなみにこの5頭はすべて関西馬である。
3.ローテの狙いはどこから?
朝日杯FS好走馬たちの前走ローテはかなり多岐に及んでいる。ということで「前走○○からが良い」という絞り込みは難しい。
1着馬だけにしても、前走2歳新馬戦勝ち(15年リオンディーズ)、前走2歳未勝利戦(20年グレナディアガーズ)という経験浅い馬もいれば、前走500万条件(現1勝クラス)ベゴニア賞からも2頭いる。さらに前走GIIIサウジアラビアRCからが一番多くて3頭、前走アイビーSが1頭、前走GIIデイリー杯2歳Sからも2頭という幅広さ。つまりは勝ち馬からして、前走はどこからでもオーケーという感じなのだ。
ただし前走がどこからであろうと「1着」ということのほうが重要。近5年の馬券圏内15頭中14頭が「前走1着馬」だ。過去10年の馬券圏内30頭、前走1着ではなかった馬はわずか6頭しかいない。
4.枠の有利不利は?
阪神開催の過去10年では、内枠有利だった。特に17年から23年の7年間では、22年以外はすべで5枠までの馬しか馬券になっていない。
とはいえ、過去10年で8枠の馬も2勝しているので、過度の内枠重視も危険だろう。まあ京都開催、しかもロングランの荒れた馬場になるので、傾向は一気に変わる可能性もある。
あとは、やや関西馬優勢。過去10年の馬券圏内30頭中23頭が関西馬。過去4年は関西馬のワンツー決着が続いている。
以上のデータを総合すると「前走1着・内枠・関西馬」ということになると昨年も指摘したが、その昨年は条件を満たす3頭でワンツースリーがズバリ。さて今年はどうなる。