島根県松江市のテーマパーク「松江フォーゲルパーク」が公式Xに公開した写真がネット上で大きな話題になっています。「動かない鳥」として有名なハシビロコウがこちらを見下ろす1枚。見開かれた瞳、迫るトレードマークの大きなくちばし。同園スタッフが写真につけた説明は「魚目線で見たハシビロコウ」です。同園担当者に撮影秘話を聞きました。
ファン「角度が最高すぎる」「圧倒的な勝者感」
同園の広報担当者によると、ハシビロコウの名前はフドウ。雄で年齢は不明。写真集「ハシビロコウのフドウ PHOTOBOOK」が発売されるほどの人気者です。
撮影者はフドウの飼育員で、フドウのお腹からやや下あたりにカメラを構え、距離は10〜20cmぐらいだったそう。「信頼されている飼育員でないと撮れない貴重なアングルです」(同園担当者)
実を言うと、撮影時にフドウの目線の先に獲物の魚はおらず、「実際は飼育員の様子をじっと見ているところです」。フドウのエサは主にドジョウやアマゴ。「魚を狙う時はもっと真剣な表情で体勢も前のめりです」(同園担当者)
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ハシビロコウはもともとアフリカ中央部の湿地帯に生息する鳥類。日本の厳しい冬はどう過ごしているのでしょうか。「温室内の日当たりの良い場所にハシビロコウの展示室があります。寒く天気の悪い時は暖房のきいた部屋でじっとしていることが多いですが、日が出ると日が当たる場所に移動して、羽繕いをしたり、昼寝したり、太陽の暖かさを堪能しています」(同園担当者)
今回の投稿写真は2022年に撮影したものですが、ハシビロコウファンにとってはたまらない表情だったようで、再投稿したところ予想をはるかに上回る反応がありました。ファンからは「こんなアングル見たことない」「圧倒的な勝者感」「かっこいい」「捕食者の顔」「角度が最高すぎる」「授業中に居眠りして起きたとき横に立つ先生だ」などのコメントとともに、10万を超えるいいねが集まっています。
ハシビロコウは野生での生息数は推定で3千から5千羽といわれており、絶滅危惧種に指定されています。日本国内では10羽ほど、世界ではアメリカ6羽、プラハ4羽、シンガポール1羽などが飼育されています。飼育下での繁殖は大変難しく、成功したのは世界でも2例のみ。日本でも各地の動物園や大学の研究者などが連携し、繁殖成功を目指して取り組んでいる最中です。
(まいどなニュース・金井 かおる)
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