尼子騒兵衛原作によるアニメ「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」の最速先行上映会が、本日12月15日に東京・新宿ピカデリーで開催された。この記事には若干のネタバレが含まれているので、事前情報なしで観たい人は注意してほしい。
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アニメ「忍たま乱太郎」シリーズ13年ぶりの映画として、12月20日に公開される「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」。諸泉との決闘に向かった後で消息を絶った土井先生こと土井半助を取り戻すため、乱太郎、きり丸、しんべヱたちが奮闘するさまが描かれる。最速先行上映会には、乱太郎役の高山みなみ、きり丸役の田中真弓、しんべヱ役の一龍斎貞友、土井半助/天鬼役の関俊彦、藤森雅也監督が参加。高山、田中、一龍斎の3人は、高山が見つけてきたというトップスを色違いで着て登壇した。
本作は1996年公開の「映画 忍たま乱太郎」、2011年公開の「忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段」に続く劇場版3作目。新作劇場版が公開されると知ったときの心境を司会に聞かれると、高山は「正直、マジかと思いました。今やるんだ、13年ぶりにやれるなんてすごいなと。新作劇場版を発表するイベントがあったんですが、その前にもイベントがあったじゃないですか。なんで今になってこんなにイベントを活発にやるんだろうと思ってて、何かあるぞと予感はしてたので『やっぱりそうだったのか!』とも思いましたね。キャストみんな本当に大喜びでした」と話す。
本作では土井先生を軸に物語が展開されるが、そんな土井先生の家に学校が長期休暇のときは居候させてもらっているきり丸。田中は「やっぱりギャグアニメなので、(原作では)ちょっと深いセリフがあったとしてもTVシリーズではカットされるんです。帰る場所がないきり丸が言った『お前たちには俺の気持ちなんかわかんねえよ』というセリフだったり、なぜきり丸は土井先生の家でお世話になっているのかという描写だったりね。その辺りを描いてほしいなと実はずっと思っていたので、今回の劇場版はうれしかったです」と語る。
関は「新作劇場版の知らせを受けてから1作目と2作目を改めて観たんですが、本当に完成度が高い。だから3作目は期待しかないなと思いました。しかも『忍たま』のコアな原作ファンに人気な土井先生ときり丸のエピソードが映像化されるということで本当に楽しみでした」とコメント。普段の「忍たま」とは一味違いシリアスな展開が待ち受ける本作について、藤森監督は「前作(2作目)はギャグをできるだけ多く、思いついたことは全部入れようと思っておりましたが、今回は思いついたことを全部却下していきました(笑)」と語る。高山が「今回は八方斎すらカッコいいよね」と言うと、「変わらないのはしんべヱだけ」と田中。一龍斎は「土壁まで食べる!」といつもの食いしん坊ぶりが本作でも見られることをアピールした。
土井先生に加え、土井先生と瓜二つな顔を持つドクタケ忍者隊の軍師・天鬼を演じた関は「藤森監督から、『ただの悪者、乱暴者にはしたくない。半助の持っている優しさとか、そういった性格や性質が根底に流れて見えるように演じてほしい』とお話をいただきました」と明かす。田中も藤森監督から受けた演出について「いつもの『忍たま乱太郎』はギャグっていうのもあって、うれしいときはワーっ!とうれしがって、怒るときはガーっ!と怒って、泣くときはダーっ!と泣いて、喜怒哀楽がわかりやすい。それが今回は、少し表現を抑えてくださいという演出をいただきました」と語る。いつもの演技と違って少し不安だったという田中だが、関は「今までのきりちゃんと、まったく違うきりちゃんが見えましたよ」と言葉をかけて安心させた。
アニメーション制作にあたり、藤森監督はダルマを3体買ってきて、ある工程が終わるごとにスタッフたちと目入れをしていたそう。ダルマは自分で絵柄を描けるタイプのもので、それにキャラクターデザインの新山恵美子が乱太郎、きり丸、しんべヱのイラストをデザインしたという。すると、お金の匂いを嗅ぎつけた高山が「それは商品化だなあ」と公式で「忍たま」のダルマを売ることを提案。それに乗っかり、田中は「ダルマいかがっすかー!」と弁当を売っている際のきり丸になりきった。
最後の挨拶で高山は「最初は衝撃のシーンで『うわあ!』と思ったけど、最後は『やっぱり忍たまじゃん!』と感じてくれた方ー?」と問いかけると、客席は目一杯の拍手で応える。「忍たまー?」「最高ー!」というコールアンドレスポンスで最速先行上映会は締めくくられた。イベント内で発表された、海外での上映、入場者プレゼント第1弾、12月22日に行われる舞台挨拶のライブビューイングについては映画公式サイトで確認を。
■ 「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」
2024年12月20日(金)全国公開
□ スタッフ
原作:「落第忍者乱太郎」尼子騒兵衛(朝日新聞出版刊)、テレビアニメシリーズ「忍たま乱太郎」、「小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師」(原作・イラスト:尼子騒兵衛 / 小説:阪口和久 / 朝日新聞出版刊)
監督:藤森雅也
脚本:阪口和久
音楽:馬飼野康二
キャラクターデザイン:新山恵美子
副監督:根岸宏樹
アクション作画監督:関根昌之
美術監督:川口正明(アトリエローク07)
撮影監督:林コージロー(グラフィニカ)
色彩設計:村田恵里子(グラフィニカ)
編集:坂本雅紀(森田編集室)
音響監督:大熊昭
音響効果:庄司雅弘
音響制作:AUDIO PLANNING U
アニメーション制作:亜細亜堂
配給:松竹
製作:劇場版忍たま乱太郎製作委員会
□ キャスト
高山みなみ、田中真弓、一龍斎貞友、関俊彦、大塚明夫、岡野浩介、間宮康弘、森久保祥太郎、代永翼、成田剣、保志総一朗、渋谷茂、神奈延年、置鮎龍太郎、鈴木千尋、小田敏充、金丸淳一、山崎たくみ、東龍一
スペシャルゲスト:大西流星 藤原丈一郎
(c)尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会