ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」

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2024年12月15日 21:33  ねとらぼ

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こちらの池の水を抜いていきます

 ザリガニが大量繁殖していた池の水を2年連続で全部抜いてみたら、意外な結果になった様子がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で6万5000回以上再生され、「見ていて爽快です」「本当にすごいですね!」などの声が寄せられています。


【画像】腰を抜かす光景


 動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「コミヤの生物多様性に関する一考察」。同チャンネルでは“生物多様性を全力で楽しみたい、だから生物多様性を保全する”という考えを持つ小宮春平さんが、生物多様性を守るべく池の水を抜いたり、外来種を捕獲したりする様子を公開しています。


 以前は湿地でモチモチ動く“生きた泥“の姿を観察し、その様子が話題になった小宮さん。今回は池の水を抜き、特定外来生物であるアメリカザリガニ(以下ザリガニ)を徹底的に捕獲していく様子を見せてくれるようです。


 小宮さんによるとこの池はいつもザリガニをとっている池とは別の池で、規模的にはあまり大きくないそうです。2024年度はすでに2000〜3000匹は捕獲しているものの、捕獲圧(捕獲により生息数の増減に作用する力)をあまりかけられていないため、かなりの数のザリガニがいると考えているのだとか。


 今回は池の水を抜いてザリガニを拾い、拾ったザリガニは野食ハンターの茸本朗(たけもとあきら)さんに食べてもらう作戦とのこと。小宮さんは池の中から、茸本さんは池の外から、二手に分かれてザリガニを捕獲していきます。


 この池は昨年も水を抜いてザリガニを捕獲しているためか、あまりザリガニの姿が見えないようです。しかし小宮さんは泥の中で膝立ちのまま素早く移動し、水が抜けて姿を現してきたザリガニを次々と拾い集めていきます。なおザリガニが池から外に流れ出ないように、水の出口にもタモを設置しているとのことです。


 池の外からザリガニを捕獲していた茸本さんによると、ザリガニに混じってゲンゴロウやマツモムシなどの水生昆虫の姿が多く見られるとのこと。ザリガニの数は少なく、水生昆虫の数は多い状況を見ると、思った以上に駆除の効果が出ているようです。


 しかしザリガニは泥の中に潜っていることがあるため、池の水を抜いても根絶することが難しいそうです。そのため小宮さんは泥ごとすくう、泥を手でかき回して手に当たったザリガニをとるという、文字通り手探りの状態でザリガニを捕獲していきます。


 前回は大きなザリガニがたくさんとれましたが、今回とれているのは小さなザリガニばかりのようです。茸本さんによると小型のザリガニは殻が柔らかいため、生かして泥を抜き、かき揚げにするといいとのこと。魚の餌や釣り餌としても使えるそうです。


 ところでなぜ、ため池の水を抜くのか、その理由が気になる人もいることでしょう。ため池の水を抜く「池干し」という作業は本来、農業用のため池を維持し、守るために行われることなのだそうです。


 池の底に泥がたまってしまうと水をためられる量=使える水の量が減ってしまいますが、水を抜くと一緒に泥も抜けていき、ため池の機能が維持できるのだとか。


 また泥がたまっていると水が腐っていってしまいますが、年に1回くらい水を抜くと水質を保てるのだそうです。さらに水を抜かないと堤も傷んでしまうため、行政も「2年に1回くらい水を抜いたほうがいい」という指針を出しているのだとか。


 加えて日本にいるアメリカザリガニは貴重な在来種を食べる、水草を抜いて生き物が暮らせる環境を破壊し水質を悪化させる、堤に穴をあけて水を漏らす、田んぼに穴をあけて米を作れなくする、そして駆除が難しいという、日本の環境の中における「最悪の生き物」といっても過言ではないのだそうです。


 ザリガニと同じ外来種でも魚であれば水を抜いてしまえば簡単に捕獲でき、投網を使ってとることもできる。しかし水を抜いたとしても捕獲が難しいザリガニは外来種の中でもラスボス、それも裏ボス的な存在といえるのだとか……。


 そんな話をしながらザリガニを捕獲し続けたところ、稚ザリガニの姿はあるものの、ザリガニを低密度化することができたようです。小宮さんによると来年までこの状態をキープできれば、周辺の水生植物がこの池にくるかもしれないとのことでした。


 昨年同じ作業をした際はコンテナがザリガニで満タンになり、ザリガニのバーゲンセール状態だったそうです。しかし今年捕獲できたザリガニの量はコンテナの底が見える程度で、その数はおそらく昨年の10分の1以下だろうとのこと。駆除を続けた効果が目に見える、すばらしい結果となりました。


 ザリガニは根絶することは難しいけれど、低密度化できれば生態系のバランスの中でうまくやっていってくれるそうです。ただし数が増えやすい生き物であることから、池の水を抜くときや夏の前には、継続して捕獲していく必要があるのだとか。


 池の水を全部抜いた結果、少ないといえども1人前の食材としては十分な量のザリガニを捕獲することに成功した小宮さんと茸本さん。捕獲したザリガニがどんな料理になったのか気になる人は、茸本さんの動画でチェックしてみてくださいね。


 動画には「頑張ってくださいね、日本の在来環境を取り戻したいですよね!」「昔は泥の活用方法がいろいろあったけど、って感じですね」「これからもお体に気をつけて生態保全続けてもらえたらと思います」といった、応援の声が寄せられています。


 小宮さんは同チャンネルやX(Twitter/@ariake538)で、ザリガニをはじめとしたさまざまな生き物を追う姿を公開中。茸本さんのYouTubeチャンネル「野食ハンター茸本朗(たけもとあきら)ch」にも出演しています。


画像提供:YouTubeチャンネル「コミヤの生物多様性に関する一考察」



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  • 池の縁から点々とスルメの小片を・・・そしてトラップへ(笑)
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