【F1第24戦無線レビュー(1)】ピアストリがフェルスタッペンとの接触で後退「あれが世界チャンピオンの走りだ」

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2024年12月17日 18:00  AUTOSPORT web

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2024年F1第24戦アブダビGP スタート直後のターン1でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と接触し、最後尾に落ちたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)
 2024年F1第24戦アブダビGP。コンストラクターズ選手権のタイトル争いは、マクラーレンとフェラーリの一騎打ちという状況で最終戦を迎えた。マクラーレンの2台が上位グリッドを獲得し優勢かと思われたが、スタート直後にオスカー・ピアストリが接触により最後尾に沈んでしまった。アブダビGP前半を無線とともに振り返る。

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 2024年最終戦アブダビGPは、マクラーレンとフェラーリによるコンストラクターズタイトルのかかった1戦となった。そして2025年のシートが得られなかったフランコ・コラピント(ウイリアムズ)やバルテリ・ボッタス、周冠宇(ともにキック・ザウバー)ら、あるいは移籍が決まっているカルロス・サインツ(フェラーリ)やニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)らにとっては、万感胸に迫るレースとなった。

ガエタン・イエゴ:これが今年の最終レースだ。58周。楽しもう!
コラピント:ありがとう。

バルテリ・ボッタス:ありがとう、ザウバー。ありがとう、フェラーリ。

 レースはスタート直後から、波乱の展開となった。まず11番グリッドの角田裕毅(RB)がスタートで大きく出遅れ、17番手まで後退してしまう。

1周目
角田:クラッチを失った。何も間違ったことはしてないと思う。

 1コーナーではフロントロウのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)のインをマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が突こうとし、接触。2台は揃ってスピンを喫した。

4周目
フェルスタッペン:僕はただただアンラッキーだった。クラッシュの前に、イン側に入っていたんだけど。

ピアストリ:あれが世界チャンピオンの走りだよね。

 ピアストリは最後尾まで後退。フェルスタッペンには10秒のタイムペナルティが科された。

 その後方ではセルジオ・ペレス(レッドブル)がボッタスと接触。マシンにダメージを負ったペレスは、そのままレースを終えた。

ペレス:ドライブ(駆動)を失った。

 一方、スタートダッシュに成功し、事故の混乱を切り抜けたシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、19番グリッドから一気に8番手までジャンプアップを果たした。
 
5周目
ブライアン・ボッツィ:僕らはP8だ。
ルクレール:ヤッホイ!

8周目
トム・スタラード:フェルスタッペンは10秒ペナルティだ。
ピアストリ:よし。

 唯一ハードタイヤを履いた16番手スタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)は、9周目には10番手に。しかしレースペースに不満たらたらだ。

10周目
ハミルトン:全然、ペースがないんだけど。

 ピアストリとの接触で11番手まで後退していたフェルスタッペンも、15周目には5番手に。しかしタイヤが厳しそうだ。

15周目
フェルスタッペン:フロントタイヤが熱くなっている。ブレーキが効かない。

 スタートでほぼ最後尾まで落ちた角田も、15周目には8番手まで順位を上げた。しかし角田もタイヤが限界近く、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、ヒュルケンベルグに次々に抜かれていった。それでもチームからは、ステイアウトの指示が出た。

22周目
エルネスト・デジデリオ:ステイアウトだ。
角田:なぜ?

 結局、角田はこの直後にピットに向かった。チームメイトのリアム・ローソンは、23周目にピットイン。しかしすぐにタイヤの不具合に気づいた。

23周目
ローソン:ホイールが付いていない。

24周目
ローソン:車(高)が落ちた。

 すぐに緊急ピットインしたが、ローソンは最下位まで落ちてしまった。

27周目
ボッツィ:プランCだ。
ルクレール:ちょっと楽観的だと思う。

 首位を独走するランド・ノリス(マクラーレン)に何とかして追いつきたいルクレール。プランCは1回ストップ作戦だったと思われる。しかしすでに20周目にハードに替えており、そのまま最後まで走り切れるかは、少なくとも去年のデータからすると微妙なところだ。

 26周目、コラピントに緊急ピットインの指示が出た。

27周目
イエゴ:フランコ、申し訳ない。君の最後のレースは、望まない形になってしまった。PUトラブルだ。君と一緒に働けて、楽しかった。
コラピント:みんな、ありがとう。たくさんのレースをありがとう。君たちのおかげで、夢が実現できた。
ジェームズ・ボウルズ代表:君を乗せることができたのは、とても名誉なことだった。

 唯一、ハード→ミディアムのリバース戦略に賭けたハミルトンは、この時点で4番手まで順位を上げていた。ハミルトンとのコンビはこれが最後となる担当エンジニアのピーター・ボニントンが、「表彰台も可能だぞ」と、檄を飛ばした。

28周目
ボニントン(→ハミルトン):ストラット5でハンマータイムだ。このプランなら、まだP3も可能だ。

 29周目、フェルスタッペンがピットインし、ハミルトンは3番手に上がった。
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F1第24戦無線レビュー(2)に続く

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