XユーザーのMさん(仮名・女性)には、M-1グランプリが近付いてきたころに、毎年思い出す出来事がある。
その日、Mさんは通勤中に参ってしまって、会社に行くことができなかった。
逃げ込むように訪れた公園には、2人の男性がいて......。
<Mさんからのおたより>
ある日の通勤途中、精神的に限界が来て、衝動的に電車を乗り換え、会社に向かわず大きな公園がある駅で降りました。
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公園内をしばらく歩き、テーブルがあるベンチにへたり込み、テーブルに顔を突っ伏しました。
目を閉じて気持ちを落ち着けていたら、そばで男性2人の会話が聞こえてきて......。
席を離れることも思いつかず...
2人はこちらに背を向けて大木に向かって立ち、やや抑えめな声でテンポよくやり取りをしています。どうやら漫才のネタ合わせをしているようです。
その時初めて気づいたのですが、テーブルには彼らの荷物と飲み物、筆記用具が置かれていました。
私はその場所が使用中だと気づかずに座り込んでいたのです。しかし、そのことに気付いても頭が回らず、席を離れることを思いつけないくらい限界でした。
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限界を迎えていた、あの日の思い出(画像はイメージ)
ネタ合わせ中の2人は、そのまま大木に向かって練習を続けていました。
平日の昼間、スーツ姿の女が公園のベンチ席で突っ伏しているのを見て、何かを察したのかもしれません。小声でやっていたネタを途中でやめ、次のネタに移りました。
先ほどとは違い、こちらまで響くボリュームで声を張っていました。
あの時、特等席で聞いたネタ
2人が使っていた席に勝手に座ってしまったバツの悪さもあり、私は顔を上げられずいました。
少し経ったら気づかれないように移動しよう。そう思っていましたが、漫才のテンポやネタが心地よくて、すっかり気分も晴れた私は、遅刻ですが会社に向かうことができました。
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特等席で漫才を(画像はイメージ)
細身の男性と背の高いガッチリ体型の男性コンビ。
後ろ姿しか記憶になく、あのお2人が今もお笑いを続けているのか、別の道へ進まれたかはわかりませんが、「ありがとうございました」と伝えたいです。
あの時、特等席で聞いたネタに救われました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
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