今年12月8日から結成20周年イヤーを迎えたAKB48。19年ぶりに全面リニューアルした新AKB48新劇場や新公演がスタートするなど、新時代が華々しく幕を開けた。そんなAKB48が、12月25日に10thアルバム「なんてったってAKB48」をリリースした。今作はアイドルタイムマシンをコンセプトに、昭和・平成・令和のアイドルソングをAKB48が歌う初のカバーアルバム。今回は17期生の水島美結(20歳)と18期研究生の秋山由奈(19歳)に、今作への思いや昭和と令和のアイドルの違いなどを語ってもらった。
――まもなく今年も終わるということで、どんな1年でしたか?
水島美結(以下、水島):表題曲の選抜に選んでいただけるようになったり、正規メンバーへの昇格という大きな一歩を踏み出させたり、やっとアイドルとして成長できた年だったなと思います。
秋山由奈(以下、秋山):私も今年、選抜入りさせていただいて、17期生さんの昇格記念ライブツアーに18期研究生や19期研究生も出演させていだきました。目標も達成できたし、いろいろな活動を通して普段出会えない方ともたくさん出会うきっかけがもらえた1年でした。
――水島さんからすると秋山さんは1期後輩ですが、どんな部分が成長していますか。
水島:ん〜、入ってきたときから私よりも何でもできちゃうんですよ。いつもダンスを教えてもらったり、メイクを教えてもらったりしてるので感謝しかない(笑)。今年3月に19期研究生が入ってきて、先輩としても教えている姿を見て、「さらに大きくなったなぁ」ってしみじみと。
秋山:お母さんみたい(笑)
――水島さんはもともと泣き虫だったそうですが、そのあたりは克服できました?
水島:舞台上で泣くことが少なくなりました。ツアーの千秋楽も泣くかなって思ったんですけど、笑顔で終わりたかったのでグッと堪えることができました。でも、レッスンは泣いちゃう場面が多いので、克服できたかって聞かれると、まだ泣き虫かもしれません。
――それは「できない!」って泣いちゃう?
水島:そうですね。自分が許せなくて泣いちゃうことが多いです。
――あと虫嫌いは相変わらず? 北海道出身だから上京するまでゴキブリに遭遇したことがないって言ってましたよね。
水島:そうなんですよ! 初めのゴキブリにも夏の秋葉原で遭遇しまして、最初は「わあ! ゴキブリだ!」っていう気持ちだったんですけど、何回も見るうちに「もう、やめてー!」ってなってます。相変わらず虫は嫌いです!
――そして、AKB48にとって初のカバーアルバムが12月25日にリリースしました。自身が担当した楽曲で印象に残ったものは?
水島:私はピンクレディーさんの『UFO』を同期の平田侑希ちゃんと一緒にやっていて。ピンクレディーさんって声が少し低くてセクシなー声質なんですけど、それを表現するのが難しかったですね。そこがちゃんと届くのかが楽しみです。当時の映像やAKB48の先輩でもカバーしてる方がいたので、かなり研究しました。
――秋山さんは?
秋山:私はキャンディーズさんの『年下の男の子』なんですけど、このアルバムの1曲目で歌い出しも私なので、楽しみだけど緊張もしてますね。当時のキャンディーズさんの歌い方と、今の私たちの歌い方が違うので大変だった部分もありました。私たちは音程に合わせて滑らかに歌ったりするんですけど、オリジナルだと結構ピッチが上がったり下がったりすると感じていて。移動時間は常に研究していたので、レコーディングしたときに「ちゃんと聴き込んできたね」と言ってもらえたのが嬉しかったです。
――令和と昭和のアイドルソングにもそういう違いがあるんですね。
水島:昭和のアイドルは芯の強さがあるというか。歌詞を読んでも自分を持っている女性の曲が多いなっていうイメージがあります。どうかな?
秋山:わかります。歌声がストレートというか、裏声よりも地声で力強く歌われている曲が多いなと思います。
――令和のアイドルはどんな感じ。
秋山:声も可愛い系とか、ずっと裏声とか。特徴があるなって思います。
水島:今はTikTokのようなショート動画で曲が流行ると思うので、全体的に可愛い系の曲が多いですね。だから私たちが思う令和のアイドル像は、“可愛い”イメージが強いかも。
――令和はキャラクターに近いような可愛さ。
水島:そうかもしれないですね。昭和のアイドルソングは、メッセージ性が強くて刺さる歌詞が多い気がする。
秋山:令和のバズる曲は振り付けも込みだったりするので、それも昭和とは違う部分だと思います。
◆より大きなステージを目指して
――アイドル以外の昭和のイメージはあります?
秋山:全然想像つかないですね……。昭和のイメージはあまり持ってないです。写真とか見ても、何が違うかって言われたら、画質とか色がモノクロとか(笑)
――先ほど話に出てきた担当した楽曲にかけた質問もさせてください。水島さん自身はUFOの話は好きですか?
水島:結構信じるタイプなので、そういう話を聞くのは大好きです! テレビで未確認飛行物体の特集とかしてたら絶対観ちゃいます。
――水島さんは自然豊かな北海道育ちですけど、UFOが見れたりとか?
水島:私のおばあちゃんがUFOを見たっていうのを聞いたことがあります!(笑)
――すごいですね。実は昭和にはUFOがブームになったときがあったんですよ。
水島:そうなんですか(笑)。その時代に生まれていたら、確実に今以上に夢中になってましたね。私の担当曲が「UFO」と聞かされたときは、運命めいたものを感じて嬉しかったですね。
――秋山さんは、実際に年下の男性はどうですか。
秋山:2歳下の弟がいるんで、身近な年下の男の子っていうと弟なんですけど。仲がいいので、すごいじゃれてきます。私が双子で妹がいて、その下に弟、さらに10歳下に妹がいるんです。ウチは女社会だから弟は女性っぽい部分があるんじゃないかなって感じていて。こないだは私がレッスンから帰ると、弟がお菓子を作ってて「味見してくれる?」っていうからアドバイスしました(笑)
――そこまで仲が良いと弟の恋愛相談とかも?
秋山:そういう話もしたことありますね。姉二人が弟の恋愛事情を聞くっていう(笑)
――現役アイドルの恋愛アドバイスも気になります。今回のアルバムがアイドルタイムマシンというコンセプトですが、二人がタイムマシンで行ってみたい時代は?
水島:私は平安時代に行って、十二単を着てみたい。その頃の和歌を詠む文化が素敵だなと思っていて、そういうロマンティックなことに憧れがあるので行ってみたいです。
秋山:中世ヨーロッパに行って、プリンセスになりたい(笑)。日本にはない服装や景観もいいなと思うので。マリー・アントワネットのように、豪華なドレスを着て生活を送ってみたいです。
――では最後にAKB48の20周年イヤーへの抱負や意気込みを教えてください。
水島:AKB48としてさらに団結して、大きな会場でコンサートをしたいです。劇場公演も大好きで、新公演も始まったのでこれまで以上にステージに立って、多くの方たちに今のAKB48を伝えられるような活動ができる1年になったらいいなと思います。個人としては、北海道が地元なので、日本ハムファイターズの本拠地エスコンフィールドで始球式だったり、北海道でのロケだったり、いろいろなことができたら嬉しいです。
秋山:私はAKB48劇場が誕生した4日後に生まれたので、ほぼ同じ歳なんですよ。なので、劇場もレベルアップして新たな歴史を作っていくと思うので、私もレベルアップして大きなことを達成できるようになりたいなって思います。あとは研究生なので、昇格できるように頑張っていきたいです!
――秋山さんは10代最後の1年ですね。何かやっておきたいことは?
秋山:ずっとバンジージャンプをやってみたいんです! あとは新しい趣味を見つけたいです。裁縫やお菓子作りが好きだったので、そういうのもまた始めたいなって。それから将来に役立つような資格を取ってみたくて。もともと薬剤師になりたかったんですけど、アイドルとの両立は難しいなって思ってアイドル1本に絞ったんです。今が充実しているので先のことは考えられていないんですけど、自分が好きだなって思うことを頑張りたいですね。
取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧