【写真】染谷将太、銀杏BOYZ・峯田和伸、夏帆ほか新キャストの姿も! 『BAUS 映画から船出した映画館』場面写真ギャラリー
映画上映にとどまらず、演劇、音楽、落語…「おもしろいことはなんでもやる」という無謀なコンセプトを掲げ、多くの観客と作り手に愛されながら30年の歴史を築いた吉祥寺バウスシアター。閉館から遡ること約90年、1925年に吉祥寺に初めての映画館”井の頭会館”がつくられ、1951年にはバウスシアターの前身となる”ムサシノ映画劇場”が誕生。本作では、時流にほんろうされながらも劇場を守り続け、娯楽を届けた人々の長い道のりを描く。
青山真治が着々と温めていた脚本を、2022年3月の逝去を機に甫木元空が引き継ぎ執筆し、監督を務めた。劇中の音楽を大友良英が担当。主演の染谷将太が、映画の未来へ情熱を燃やすサネオを演じる。さらに、ハジメ役をロックバンド銀杏BOYZの峯田和伸、サネオの妻・ハマ役を夏帆が演じ、実力派俳優たちが生命力あふれる演技で物語を彩る。
1927年。活動写真に魅了され、“あした”を夢見て青森から上京したサネオとハジメは、ひょんなことから吉祥寺初の映画館“井の頭会館”で働き始める。兄・ハジメは活弁士、弟・サネオは社長として奮闘。劇場のさらなる発展を目指す二人だったが、戦争の足音がすぐそこまで迫っていた―。
今回解禁となったのは、約90年という長い歴史を描く本作を支えるキャストの面々。吉祥寺バウスシアター創設者である本田拓夫をモデルにしたタクオ役には鈴木慶一。早くしてこの世を去ってしまったタクオの娘・ハナエ役を橋本愛。サネオやハジメが通うおでん屋台の大将役を光石研。ハマの母で、井の頭会館を一緒に切り盛りするタネ役をとよた真帆が演じる。そのほか、渋谷そらじ、伊藤かれん、斉藤陽一郎、川瀬陽太、井手健介、吉岡睦雄などが出演する。
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映画『BAUS 映画から船出した映画館』は、2025年3月21日より全国公開。
鈴木慶一、橋本愛、光石研、とよた真帆のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■鈴木慶一(タクオ役)
素晴らしい作品と監督とそのチームに出会いました。多分、私の最長出演時間の一二を競う映画『BAUS 映画から船出した映画館』100年近く劇場にかかわる家族の歴史の映像に参加できてとても嬉しいです。
実際に出演したり、観に行ったりしたシアターの物語、さらに私の個人史を語らせていただくなら、父親が戦後すぐ、井の頭公園付近での劇団の公演を観て「入らせてください」と飛び込んだことや、母親はムサシノ市で生まれ、吉祥寺で映画ばかり観ていたことを撮影中思い出していました。この映画の中には通りすがりの両親がいる、そんな気持ちでした。甫木元監督他、スタッフの若さと偉大さに(菊池信之さんのお達者も含めて)ほれぼれしたのです。青山真治監督はバーで一度お会いしましたが、お話し出来なかった。しておきたかったな。そして本田拓夫さんに感謝いたします。
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■橋本愛(ハナエ役)
若くして亡くなってしまった一人の女性、その魂は、幻ではないと思いました。今もあなたに語りかけ、今もあなたと旅をし、あなたと同じ夢を見る。映画も、映画館も、肉体こそ失われたとしても。
■光石研(大将役)
逝去した青山真治監督が撮る予定だった本作を、教え子で愛弟子の甫木元さんが監督した。そんな「重い継承」。現場はさぞかし混乱し、右往左往していると思いきや、監督を中心に若きスタッフ達は、軽やかに楽しく進んでいた。
青山映画を回想しつつ、甫木元フレイバーを纏い、天翔る映画になっていた。ふと、青山監督のデビューと甫木元監督が重なった。
■とよた真帆(タネ役)
“映画を中心に生きる人”の数々の人生。アーティストでもあるホキモトソラ監督のリズミカルな表現で長い年月を一緒に駆け抜けられた。どんな人の人生も振り返れば愛おしい一本の映画みたいだと思う。