血清プロゲステロン値が鍵となる
2024年12月30日、ザヘダン医科大学(イラン)の研究チームは、「BMC Women's Health」にて、卵母細胞の成熟率と胚の質に焦点を置いた場合、血清プロゲステロン値と体外受精の成功において複雑な関係があると示した。
血清プロゲステロン値と体外受精結果における関係性
先行研究では、体外受精サイクルにおいて、HCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)トリガー日の血清プロゲステロン値は卵母細胞ならびに胚の質と関連していると報告された。
そこで今回、研究チームは、2019年から2022年の期間、不妊治療中の女性496人(平均年齢31歳、平均BMI値24.6kg/m²、体外受精サイクル1〜2回目)を対象に血清プロゲステロン値と体外受精結果における関係性について検証した。
先行研究をもとに血清プロゲステロンのカットオフ値(病態識別値)を1.2ng/mlに設定し、卵母細胞の成熟率、胚の質、受精率、BMI、HCG投与量から体外受精結果を比較したところ、プロゲステロン値と卵母細胞の成熟に関連性が認められた。
より正確なカットオフ値は1.54ng/mlであり、プロゲステロン値の上昇に伴い卵母細胞の成熟率は低下した。血清プロゲステロン値が1.54ng/mlを超えた場合、未熟卵(MI卵)の平均数は大幅に減少したという。また、血清プロゲステロン値は、胚の質に対して影響を与えた。
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一方、血清プロゲステロン値と年齢、BMI、受精率の有意な相関は認められなかった。研究チームは、血清プロゲステロン値に着目することにより、卵母細胞の成熟率ならびに採卵数は増し、体外受精の成功率を高められると期待する。体外受精の成功において、血清プロゲステロン値が鍵となる。
(画像はBMC Women's Healthより)
BMC Women's Health
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