2024年の大反響だった記事をピックアップ! すご過ぎて順位はつけられない「すごい人生」部門はこちら!(集計期間は2024年1月〜10月まで。初公開2024年1月9日 記事は取材時の状況) * * *
2024年1月、新たに一人の元・芸能人セクシー女優が誕生する。その名は、矢埜愛茉(やのえま)。彼女はいったい、何者なのか……?
2011年に15歳でガールズロックユニットのメンバーとしてデビューし、2014年には日テレジェニックにも選ばれ知名度を上げるも、2017年に芸能活動を休止。約一年の社会人経験を経て、翌年には再び芸能界に復帰を果たし、グラビアアイドルや女優として活動してきた。
そんな彼女が2024年2月6日、SOD(ソフトオンデマンド)より『芸能人 矢埜愛茉 AV DEBUT』でセクシー女優として歩み始める。なぜ、新たなステージにセクシー女優の道を選んだのか? その答えの中に、グラビアアイドルの特殊な立ち位置や、芸能界で生きることの難しさが垣間見られる。
◆日テレジェニック受賞後、突然の活動休止
——2011年に芸能界デビュー。きっかけは何だったのでしょうか?
「私は小さい頃からテレビっ子だったのですが、2010年あたりからアイドルブームが来たんです。自分にも憧れが生まれ始めて、アイドルか女優になりたいと思うようになりました。
AKBのオーディションも受けましたし、原宿の竹下通りに行って声を掛けられるのを待ってみたりもしました。結局、雑誌で見かけたスナップ撮影の仕事にモデル応募をして、そこで当時の事務所にスカウトされたのが始まりですね」
——2014年に『日テレジェニック2014』を受賞してから、ぐっとメディア露出が増えていきましたよね。しかし、2017年に突然の活動休止。何があったのでしょうか。
「ちょうど21歳になるタイミングで、一度芸能界の外に出てみようと考えたんです。普通の会社に一般事務職で入社してOLになったんですけど……向いてなかったですね」
◆一般企業に就職するもうまくいかない日々
——具体的にはどういった部分でしょうか。
「芸能人の仕事って、毎回違う変則的なものじゃないですか。それが肌に合っていたのに、真逆のルーティンの仕事を始めてしまって、これは自分に合わないと気づいてしまったんです。あと、もともと人とコミュニケーションを取ることが好きなので、事務職だとそれが一切無かったことが、かなりキツかったのもあります。営業職だったら、まだ良かったのかもしれません」
——勤務時間外で会社の同僚と話をしたり遊びに出かけたりもしなかったのですか?
「私が元・芸能人であることは会社に知られていたので、周りも話しかけづらかったのかもしれませんね。結局そこで一年くらい働いたのですが、私に合うのはやっぱり芸能の仕事なんだって改めて実感しました」
◆イメージDVDの仕事に苦手意識があった
——そして2018年に芸能界に復帰し、イメージDVDを発売。これがかなりのヒット作になったんですよね。
「それまでは10代のアイドルらしいキャピキャピ系のDVDしか出していなかったのですが、急に大人な雰囲気の作品になったんですよ。『自分もこういう表現をする年齢になったんだ……』と感慨深さがありました」
——正直、あんまりノリ気ではなかった?
「苦手意識が強かったのは確かです。イメージDVDって、一人ですべてを表現しなきゃいけないじゃないですか。AVなら相手役がいるけど、セクシーな表情も吐息も仕草も全部を一人で生み出さなきゃいけない。そこが結構しんどいところでもありました」
——2020年4月からは事務所を辞め、フリーとして活動を開始。コロナ禍真っ最中ということもあり、かなり大変だったのではないでしょうか。
「その時期は仕事が無い中でも自分主体で色々と動くことができたので、タイミング的には正解だったのかなって。実際、8月には『ヤングアニマル×LINE LIVE 誌面グラビア争奪オーディション』で優勝もできました」
——まさに自分の力だけで獲得した賞ですよね。
「もちろん、盛り上げてくれたファンのお陰でもあります。でも、このグラビアも単発のご褒美だったので、その後も継続して誌面を飾ることはできませんでした。優勝した、グラビアが載った、ただそれだけ。その時にフリーの大変さを痛感しましたね」
◆芸能活動に限界を感じて…
——売り込みやマネージメントまで一人で行うことはやはり難しかったのですね。
「フリーだと自由がきくことが利点ですが、戦力も一人分なんですよ。たまにバラエティ番組に呼んでもらっても、『あそこはこうした方がいい』とかアドバイスをくれる人もいないので成長にも繋がらない。事務所やマネージャーの大切さがわかった気がします」
——2021年7月には写真週刊誌『FLASH』とタイアップして芸能活動10周年を記念した写真集を制作。初のセミヌードを披露するという衝撃的な展開を迎えました。
「クラウドファンディングを達成して出版できたものの、あまり世に広まることもなく、あまり多くの人には見てもらえませんでした。ここでも一人でやっていくことの厳しさに直面しましたね。この頃にちょっと芸能活動の限界を感じ始めていました」
——2024年、ついにもうすぐセクシー女優としてデビューを果たします。セクシー女優になるという決断は、並々ならぬものがあったと思いますが……。
「ここで新しい何かに挑戦してみたい、イチからやってみたいと思って、覚悟を決めました。私にはまだやりたいことがいっぱいあるんです。大好きなラジオで自分の番組を持ちたいとか、芸人さんとお仕事をしてみたいとか。セクシー女優って、そういう夢も叶えられるお仕事なんじゃないかなって」
——確かに、最近ではセクシー女優さんが業界の外で活躍している姿が目立ちますね。
「私もグラビアで活動しながら、セクシー女優さんに対する世間の目や価値観が変化しているのを感じていました。今の時代だからこそ、やりやすくなったと思います」
――1億円という超大型契約についてはどう思いますか?
「凄い金額で最初はとても驚きましたが、そのぶん私も全力で頑張っていきたいと思います」
――このお金は何に使いたいですか?
「写真を撮るのが好きなので、カメラ機材を買ったり、個展を開いてみたいです。あとはラジオを聴くことが好きなので、いつか民放ラジオの枠をGETできるのであれば、自分の番組をやってみたいです」
◆性に対して後ろ向きだった気持ちを“セクシー女優”として克服
——先ほどはイメージDVDの仕事が苦手だったと言っていましたが、AVに対して抵抗感はなかったのでしょうか?
「ずっと性に対して後ろ向きだった気持ちが、逆に開き直れました。実際にAVの撮影を経験してみると、改めて『グラビアアイドル』ってサジ加減が難しいジャンルだと感じましたね。性にまつわるお仕事ではあるのに、“具体的な話”はできないのがグラビアアイドルなんです」
——そう言われてみると、確かに。振る舞いに葛藤があるかもしれませんね。
「私は幼稚園時代から、Hなコトに興味津々だったけど、それは誰にも言っちゃいけない、隠さなきゃいけない。こういう後ろめたさが、苦手意識にも繋がっていた気がします。
かたやセクシー女優は社会や文化的な話から性のことまでぶっちゃけられるので、会話の選択肢が広いんですよね。セクシー女優になると決めてからは、そこが一気にラクになったように思います」
——AVの仕事は楽しいですか?
「はい。このお仕事、すごく好きです。撮影に対しても超ポジティブですよ。私は写真撮影が趣味なので、撮影にもクリエイター目線で挑むことが楽しくてしかたないんです。
いつかはパッケージを自分でプロデュースしてみたり、女性スタッフだけで作品をつくったりもしてみたいですね」
——今回のデビューについて、周囲の人に相談はしましたか?
「今まで誰にも話すことができなかったので、ずっともどかしくて、やっと発表になってひと安心しています」
◆「ここぞとばかりに古参アピしてください(笑)」
——ファンの人たちはどんな反応をすると思いますか?
「2023年の9月にヌード写真集を出したときに『もしかしたら』と、なんとなく勘付いた人もいるかもしれません。でも、見てくれたら応援してもらえると信じています。
——15歳で芸能界デビューした当時からのファンもいますよね?
「長いファンほど、きっと、私の選んだ道を理解してくれるはずです。ぜひ古参ぶってSNSで色々と発信して欲しいですね」
——『オレ、あの子のことアイドル時代から知ってるんだぜ〜』的な?
「私はやるからにはとことん上を目指したい人間なので、セクシー女優としてビッグになれるよう頑張るつもりです。ここぞとばかりに古参アピしてください(笑)!」
——では、最後にメッセージをお願いします。
「ついに新たな世界に飛び込んできました!私の新しい一面や、色々なことに挑戦していく姿を見てもらいたいので、ぜひ応援よろしくお願いします」
——ありがとうございました!
<取材・文・撮影/もちづき千代子>