アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、2024年末でエステバン・オコンとの契約を終了するとチームが決断したのは正しいことだったと確信を持っている。最終戦前にオコンを外したことについて、ブリアトーレは、オコンはシーズン終盤、モチベーションの低下が著しかったと指摘した。
2020年からルノー/アルピーヌに所属していたオコンは、チームのために優勝と表彰台を獲得してきたものの、チームは2025年に契約を延長しないことを決めた。2024年第8戦モナコGPでオコンがチームメイトのピエール・ガスリーに衝突するというインシデントを起こした後、チームはシーズン末でオコンが離脱すると発表。さらに、最終戦アブダビGPでは、後任のジャック・ドゥーハンを乗せるためにオコンを外した。1戦早くアルピーヌのレースシートから離れることになったオコンは、チームメンバーたちに別れを告げる機会を奪われたとして、この交代を嘆いた。
ブリアトーレは、フランスの日刊紙『Le Parisien』のインタビューで、オコンがサンパウロGPで2位表彰台を獲得したことを称えながらも、シーズン終盤のレースでは彼はモチベーションが著しく低下していたと指摘した。
「エステバン・オコンに関して、私は一般の人々とは違った見方をしている」とブリアトーレは言う。
「ブラジルで表彰台を獲得した彼の仕事には、本当に感謝しなければならない。しかしあのレースの後、彼は次のチームであるハースのことを考えていた。だが我々はハースとコンストラクターズ選手権6位の座を争っていたのだ」
さらにブリアトーレは、オコンはシーズン終盤に「完全にやる気を失った」ように見え、彼とガスリーの間には顕著なパフォーマンス差が生まれていたと説明した。
「最後の数戦で彼は完全にやる気をなくしていたし、ピエールとの差は大きすぎた」とブリアトーレは語った。
■「結果を出せないドライバーは交代させる」シーズン中のラインアップ変更の可能性も示唆
ブリアトーレは、オコンを交代させるという決断は個人的なものではなく、チームの将来の成功を確実なものにするための戦略的な動きだったと明言した。
「それと同時に、将来に向けて考えていたことを試してみたかった。エステバンと問題があったとか、ジャックの方がよかったからというわけではない。トルコ人、フランス人、日本人だろうが、私は国籍は気にしない。私はただ最高のドライバーを探すだけだ」
アルピーヌが序列を上げていき、最終的にはタイトル争いができるようになるために、強力なドライバーペアを確立したいと、ブリアトーレは考えている。チームは、リザーブドライバーを務めたドゥーハンを2025年にレギュラードライバーに昇格させることを決めたものの、フランコ・コラピント獲得に関心を持っているといううわさもあった。
ガスリーとドゥーハンが2025年開幕戦に出場するのは“確実”なことかと問われると、ブリアトーレは、「確実なことは死しかない」として、シーズン中にドライバーを変更する可能性がゼロではないと示唆した。
「来年(2025年)はピエールとジャックとともにスタートする。それは保証する。その後のことは、シーズン中に分かるだろう」
ブリアトーレは、F1におけるパフォーマンスと結果の重要性を強調し、決定事項は感情ではなく結果に基づいたものであると明言した。
「結果を出すためにチームを整えなければならない」とブリアトーレは語った。「そしてドライバーは、後ろにいる約1000人のスタッフのために、仕事をやり遂げなければならない」
「全員がたったふたりのために仕事をしている。進歩が見られず、結果を出せないドライバーがいたら、私は彼を変えるだろう。F1では感情的になってはいけないのだ」
一方、ブリアトーレは、2024年シーズンのガスリーの仕事を称賛した。
「ピエールは素晴らしい仕事をした。今年(2024年)、彼には大いに驚かされた。彼はまさに我々のドライバーだ」とブリアトーレは言う。
「彼には本当に感謝している。彼は今シーズン(2024年シーズン)に、完全に姿勢を変えた。彼は一度も事故を起こさなかった。我々が最終的に(コンストラクターズ選手権)6位を確保できたのは彼のおかげだ」
「ピエールはこれからも素晴らしい仕事を続けていくだろう。そしてジャック・ドゥーハンは期待に応えてくれるはずだ。私はそう確信している」