歌舞伎俳優の中村橋之助が主演を務めた映画『シンペイ〜歌こそすべて』の公開記念舞台あいさつが11日、都内で行われた。橋之助が欠席の中、志田未来、緒方直人ら共演者が橋之助とのエピソードを振り返った。
【写真】ちょっと怖い…全身黒の衣装!集結した志田未来・吉本実憂ら 今作は、明治に生まれ、大正・昭和を生き、今も歌い継がれ、童謡、歌謡曲、音頭、民謡まで幅広いジャンルの約2000曲を残した作曲家・中山晋平(1887年〜1952年)の生涯を、彼の音楽とともにつづっていく。映画初出演の中村橋之助が、主演を務めた。年間邦画配給収入1位を記録した『ハチ公物語』(1987年)、『遠き落日』(92年)、『ひめゆりの塔』(95年)などで知られる・神山征二郎監督がメガホンを取った。
映画初出演にして初主演となった中村橋之助はこの日、歌舞伎の新春公演のため、欠席。母を演じた土屋貴子が手紙を代読した。
橋之助は「本来ならば私もステージに立って皆様にごあいさつを申し上げなくてはならぬところですが、浅草公会堂にて新春浅草歌舞伎の座頭を務めておりまして、皆さんにお会いできないのは誠に残念でありません」とし、「中山晋平先生の音楽が多くの人に愛され、何年も歌い継がれているように、『シンペイ〜歌こそすべて』も100年先まで伝わってほしいと思っております」と願いを込めた。プロデューサーの新田博邦氏は先日、橋之助の妻・三田寛子と愛、「橋之助が申し訳ない」と謝罪していたことを伝え、「母は偉大ですね〜」と感慨深げだった。
緒方は、共演時を振り返り「彼が目の前に座ったシーンがあって。その時に(中村)芝翫さんの若いときのそのままで芝居してくるので、せりふが吹っ飛びました。それくらいそっくりであそこまで似なくてもいいんじゃないかなっていうくらい」と苦笑い。映画初出演の橋之助は、リハーサルの段階から全力だったようで「ガス欠になっていた」と裏話を明かした。
また、志田は「お着物に羽織をかけるシーンがあったのですが、男性の羽織をかけるなんてしたことなくて戸惑っていたら、説明してくださって、心強かったなと。常に支えていただいた」と感謝を伝えた。
舞台あいさつには、志田、緒方、新田氏のほか、吉本実憂、真由子、土屋貴子、神山監督が出席。エンディングテーマとなった中山晋平の代表曲「ゴンドラの唄」歌った上條恒彦からの手紙も読み上げられた。