『THE TOUR OF MISIA』を冠した本ツアーは、実に8年ぶりの開催。最新のテクノロジーをあらゆる面で導入したMISIAのライブの真髄が詰まったこのシリーズは、その時点においてのエンターテインメントの最高到達点を体感できるものとしてファンの枠を超えた幅広い層から大きな注目を集める一大ライブシリーズとなっている。
会場に入ってまず驚かされるのが、ステージ中央にそびえるMISIAの巨大オブジェ。まるでオーディエンス一人ひとりを見守るように鎮座するその姿は、ポップなアイコンとして『THE TOUR OF MISIA』の世界を象徴している。
その巨大オブジェがオーケストラ・サウンドとレーザーによるライティングに染められると“LOVE NEVER DIES”の文字に彩られたLEDがオブジェを中心にまるでピラミッドのようにきらめく。そしてバレエダンサーたちが華麗に舞うなか、MISIAが登場した。オープニングは昨夏開催されたパリ五輪に向けたアスリート応援ソング「フルール・ドゥ・ラ・パシオン」。
また、今回の衣装は、パリコレクションなどファッション界の第一線で活躍する世界的なデザイナー・noir kei ninomiyaのコレクションを着用している。緻密かつ大胆な技巧が施された衣装の数々は、まさに「THE TOUR OF MISIA」と共鳴するものと言えるだろう。
MCでは、このツアー初日と同じタイミングで発表されたニューアルバム『LOVE NEVER DIES』に触れた。まだレコーディング中とし、本ツアーとともに出来上がるリアルタイムなMISIAの心情を反映したアルバムとなるだろう。ライブ中盤では、このアルバムに収録される新曲「Be KIND」をサプライズとしていち早くパフォーマンスした。不安な時代に生きる我々の心に沁みる“やさしさ”とその循環をテーマにした曲だ。