【写真】大泉洋がカッコよすぎ!『室町無頼』劇的オフショット
時は室町、“応仁の乱”前夜の京(みやこ)―。大飢饉(ききん)と疫病の連鎖、路上に重なる無数の死骸。そんな混沌(こんとん)の世の中に風のごとく現れ、巨大な権力に戦いを挑んだ者たちがいた…。蓮田兵衛(はすだ・ひょうえ)、日本史上、初めて武士階級として一揆を起こし、歴史にただ一度だけその名をとどめる男。本作は、彼の元に結集した「アウトロー=無頼」たちの知られざる闘いをドラマチックに描く。
己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぎ、ひそかに倒幕と世直しの野望を抱く無頼漢で剣の達人、「歴史書にただ一度名を残す男」主人公・蓮田兵衛を演じるのは大泉洋。周囲を引きつける吸引力を持つキャラクターは、まさに彼のハマり役。さらに剣の達人役として本格的な殺陣・アクションに初挑戦するなど、撮影時50歳を迎えた大泉が兵衛というキャラクターにエネルギッシュに命を吹き込み、“大泉史上最高にカッコいい男”を演じきっている。
兵衛に拾われ、身も心も成長する才蔵役に抜てきされたのは、なにわ男子の長尾謙杜。その才蔵に棒術を教え込む老師に柄本明。民を虐げ、ぜいたくにふける有力大名・名和好臣には北村一輝。高級遊女にして、男たちの間を漂う絶世の美女・芳王子(ほおうじ)役を松本若菜が演じる。そして300人もの荒くれ者を抱え、幕府から京の治安維持と取り締まりを任される悪党一味の首領・骨皮道賢(ほねかわどうけん)にふんするのは堤真一。兵衛とは悪友であり、宿敵ともなっていく複雑な関係性を見事に表現している。
原作は2023年、『極楽征夷大将軍』で直木賞を受賞した垣根涼介の『室町無頼』(新潮文庫)。監督を務めるのは『22年目の告白―私が殺人犯ですー』や『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』『あんのこと』などの入江悠。憧れだったという京都で撮影に飛び込み、伝統ある京都撮影所の職人たちと共に、新時代の本格アクション時代劇を完成させた。
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先日、ゴールデン・グローブ賞4冠に輝き再び注目を集めている『SHOGUN 将軍』で着付け・衣裳アドバイザーを手掛けた京都撮影所衣裳部の古賀博隆や、キャラクターデザインを担当した荒木里江、秋月洋子は、登場人物の個性を着物の生地や柄、小物で表現するなど、細部までこだわった。
また映画『レジェンド&バタフライ』『ゴールデン・カムイ』などに参加しているヘアメイクディレクター・酒井啓介は、リアリティーを出すため延べ5000人のエキストラの体や顔、歯や着物に、泥や黒ずみなどの“汚し”を加えている。“汚し”についても、監督のイメージする世界観を実現するため、酒井は「例えば兵衛の肌の質感の粗さのレベルを5に設定しておくと、近くにいるキャラクターは6から7までは上げることができ、そのまた後ろにいるキャラは8レベルまで上げられ、一瞬で印象付けたいキャラクターに関しては作り込みレベルを10まで上げることができます。こういった調整で各キャラクター達のイメージ作りと、大きなメイクテーマである“汚し”を映画的リアルで作りました」と明かしている。
物語のクライマックスとなる一揆のシーンでは実際に炎をともしたたいまつが使われるなど、“本物”にこだわった撮影現場について、大泉洋は「気持ちを作る意味でもリアルに感じられる要素があったので、やっぱり入りやすかったですよね。本当に作品のスケール自体が大きいので、その中にいる自分というのが、自然と当時のその場所に立っているような気持ちになりました」と語る。
ヘアメイクディレクターの酒井が撮影したオフショットは、大泉洋、堤真一、松本若菜、柄本明、北村一輝らの役と素顔の狭間を捉えている。
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