【写真】岡田准一、「誰!?」ワイルドな松本潤も 映画『東京タワー』キャストたち
年上の既婚女性と恋に落ちる青年を岡田准一が好演
■黒木瞳(浅野詩史役)
夫がいる身でありながら、友人の息子である20歳年下の大学生・透(岡田准一)と惹(ひ)かれ合う浅野詩史を演じたのは女優の黒木瞳。詩史は売れっ子CMプランナーを夫に持つ41歳の人妻。青山でセレクトショップを経営しており、20歳年下の透と恋をしてもおかしくないほどの美ぼうだけでなく才能と教養をも備えている。黒木は、どことなくミステリアスで何を考えているかが読めないが、どこか寂しそうで少女のような一面もある詩史を見事に演じていた。
元宝塚歌劇団月組トップ娘役の黒木は、宝塚歌劇団退団後、数多くの映像作品で活躍。1986年公開の映画『化身』では日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。岡田とは2000年放送のドラマ『オヤジぃ。』(TBS)で親子役で共演。本作では20歳差の恋人役を演じた。
『東京タワー』公開後は、映画「20世紀少年」シリーズ(2008〜09)、ドラマ『リアル・クローズ』(関西テレビ系/2008、09)、『GTO』(フジテレビ系/2012、14)、『過保護のカホコ』(日本テレビ系/2017)、『TWO WEEKS』(関西テレビ・フジテレビ系/2019)など、コンスタントに数多くの作品に出演している。
また、2016年には映画『嫌な女』で映画監督デビュー。CM出演、音楽番組の司会、吹き替えなどマルチに活躍しており、2025年公開の劇場アニメ『ベルサイユのばら』では、ナレーションを担当する。
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岡田准一は、詩史に惹かれる純粋で一途な大学生・透を演じた。現在岡田はアクションで定評があり、鍛え上げられた肉体も話題だが、本作撮影当時の岡田は23歳。現在に比べると体の線が細く、どこかかわいらしさも残っている青年らしい顔つきだ。透は物静かで、同世代の若者よりも落ち着いており、どこか一線を画した印象。詩史と一緒にいる時の透は感情をあらわにすることや甘えることもある。岡田は、年上の女性で既婚者でもある詩史への強い思いや切ない感情をまっすぐに表現していた。
岡田は1995年にV6のメンバーとしてCDデビューし、本作出演前も大ヒットドラマ『木更津キャッツアイ』(TBS系/2002)など映像作品に出演。『木更津キャッツアイ』は2003年と2006年に映画化もされた。『東京タワー』出演後は、ドラマ『タイガー&ドラゴン』(TBS系/2005)、『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系/2007、08、11)など話題作に出演。2014年には大河ドラマ『軍師官兵衛』に主演し黒田官兵衛を演じ、2023年には『どうする家康』にて織田信長を演じた。
それ以外にも岡田は映画『永遠の0』(2013)、『ザ・ファブル』(2019、21)など話題作に続々出演。現在ではアクション振り付けや指導も務めている。
2021年にV6が解散し、2023年にこれまで所属していた事務所を退所。2023年12月1日に個人事務所「AISTON」を設立した。AISTONには現在、岡田含む3人の俳優が所属している。
撮影当時20歳の松本潤が演技派・寺島しのぶと濃密シーン
■松本潤(大原耕二役)
透の高校時代の同級生・耕二を演じたのは松本潤。耕二は恋愛をゲーム感覚で捉えており、過去には同級生の母親に手を出したことも。同世代の恋人がいながら、年上の人妻・喜美子(寺島しのぶ)と知り合い、次第に不倫にはまるようになる。
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松本は1999年に嵐としてCDデビューする前からドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』(日本テレビ系/1997)、映画『新宿少年探偵団』(1998)などに出演し、演技経験を積んだ。『東京タワー』公開後は、現在まで語り継がれる大ヒットドラマ『花より男子』(TBS系/2005、07)に出演。2012年に『ラッキーセブン』(フジテレビ系)、2014年に『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)など話題作に出演し、主演を務めた『99.9‐刑事専門弁護士‐』(TBS系/2016、18)は、映画化もされた。
そして2023年には大河ドラマ『どうする家康』にて主役の徳川家康役に抜てきされ、岡田准一との共演も話題に。2024年は13年ぶりの舞台『正三角関係』にも挑戦。嵐は2020年に活動休止し、松本個人は2024年5月に所属事務所からの独立を発表。同年6月1日に新会社「MJC Inc.」を設立した。11月には、『正三角関係』ロンドン公演を訪れた桃井かおりのインスタグラムに登場し、ワイルドなひげ姿で「誰かと思ったら松潤か!」などと注目を集めた。
■寺島しのぶ(川野喜美子役)
耕二と恋に落ちる人妻・喜美子を演じたのは寺島しのぶ。喜美子は夫との生活に不満を抱いており、そんな中で耕二と出会った。耕二との恋愛にどんどんのめり込んでいく喜美子は、途中でブレーキが壊れたようになっていく。フラメンコを情熱的に踊るシーンや前述した桃をかじるシーン、耕二に感情のままにぶつかっていくシーンは圧巻だ。
寺島は本作出演前にも映画『ヴァイブレータ』(2003)、『赤目四十八瀧心中未遂』(2003)などで大胆で生々しい演技を披露し、数々の賞を受賞。また本作では第29回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した。
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他にも数多くのドラマや映画、舞台にも精力的に出演。最近の出演作には映画『八犬伝』(2024)、ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日/2024)がある。2025年には映画『国宝』の公開が控えている。
映画デビューだった俳優も
■平山あや(吉田役)
平山あやが演じた吉田は、透と耕二の同級生。耕二が自分の母親に手を出したために、家庭が崩壊してしまった過去を持ち、同窓会で再会した耕二に付きまとう。
平山は1998年に第23回ホリプロタレントスカウトキャラバンにてグランプリを受賞し、芸能界入りした。本作出演後はドラマ『働きマン』(日本テレビ系/2007)、『ごくせん 第3シリーズ』(日本テレビ系/2008)、映画『陰日向に咲く』(2008)、『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(2010)など映像作品に出演。他にもバラエティー番組などで活躍し、プライベートでは2019年に俳優の速水もこみちと結婚した。
■半田健人(橋本役)
半田健人は耕二の大学の友人でマイペースな男・橋本を演じた。
半田は2001年にジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストに選ばれたことをきっかけに芸能界入り。2003年には『仮面ライダー555』の主演に抜擢され、乾巧/仮面ライダーファイズを演じた。映画『東京タワー』出演後は、土曜ワイド劇場の「おとり捜査官・北見志穂」シリーズ(テレビ朝日)にレギュラー出演。さらにバラエティー番組にもコンスタントに出演している。2月2日からは、『仮面ライダー555』テレビシリーズ最終話から20年後を描く完全新作『仮面ライダー555(ファイズ)20th パラダイス・リゲインド』が期間限定で上映される。
■加藤ローサ(由利役)
耕二の彼女・由利を演じたのは加藤ローサ。由利は耕二に対してまっすぐな思いを抱いており、尊敬もしているが、耕二の行動を怪しんでいる一面も。
加藤はモデルとしてデビューし、本作で映画デビュー。その後はドラマ『ダンドリ。〜Dance☆Drill〜』(フジテレビ系/2006)、『女帝』(ABC・テレビ朝日系/2007)、映画『シムソンズ』(2006)、『夜のピクニック』(2006)、『デトロイト・メタル・シティ』(2008)など数々の映像作品に出演し、キャリアを積んだ。
プライベートでは2011年にプロサッカー選手の松井大輔と結婚。2012年に長男、2014年に次男を出産した。結婚・出産を機に芸能活動をセーブしていたが、2021年にドラマ『きれいのくに』(NHK総合)で10年ぶりに地上波ドラマに出演。2024年にはドラマ『きみの継ぐ香りは』(TOKYO MX)で、星野真里と共に14年ぶりの地上波連ドラ主演を務めた。