女優?俳優?「女優でいいじゃん」室井滋が“呼び名問題”にあっさり答えるワケ

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2025年01月15日 09:00  女子SPA!

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 女優として、作家として第一線で活躍を続けている室井滋さん。

 2024年9月に上梓したエッセイ『ゆうべのヒミツ』(小学館)も重版が続いています。

 本エッセイで「年を重ねたからこそ味わえる日々の愉しみ」を綴っている室井さんに、「中年期をどう過ごしてきたか」「キレイな肌や髪のヒミツは?」などを直撃。元気の源に迫りました。

◆「オバサン」「姉さん」「お母さん」、大人の女性の呼び方は難しい

――『ゆうべのヒミツ』を電車の中で読んでいたときに、前に立っていた小さな男の子が、帯に書かれていた“オバサン”という文字に反応して「オバサンだって」とつぶやいたんです。そしたら隣にいたお母さんが「ダメ! そういうこと言うの、やめなさい!」と注意しまして。

室井滋さん(以下、室井):注意する必要ないのにね。

――その子は、オバサンの私がオバサンと書かれている本を読んでいるのが面白かったのかなと。私自身は別に気にならないんですけど。

室井:私もオバサンだからオバサンと呼ばれても、その辺はどうでもいいです。ただこの間、悪いことしちゃって。

知ってるお店の子がサイン会に来てくれたんです。若い子なんだけど、そのとき「何々ちゃん」と話しかけて来た女性がいて、つい「何々ちゃんのお母さま?」と聞いちゃったんです。言ったあとに、「そういえば、この女性もそのお店で見たことがある人だ。知り合いの方だな」と気づいたんですが。ものすごく申し訳なくなっちゃって。

――「誰々のお母さま?」と訊ねるのは問題ないんじゃないですか? 呼びかけに「そこのお母さん」みたいに言われるのは、抵抗ある人が多そうです。大人の女性の呼称は難しいですね。

室井:よく芸人さんとか、年齢関係なく「姉さん、姉さん」って呼びますよね。あれもマナーになってるんだろうと思いますけど、姉さんも、なんか“姐さん”みたいな感じがしちゃう(笑)。普段から仲良くしてる松本明子ちゃんは、私のこと「姉さん」って呼ぶけど。

――松本明子さんがそう呼んでる様子が目に浮かびます。

室井:最初、「誰のこと言ってるの?」と思ってたら、私のことで。彼女は室井さんとは呼びませんね。親しみを込めて呼んでくれてるから、まあいいんだけど、「オバサン、おばちゃん」で私はいいかなぁ。たしかに女の人の呼び方問題は難しいかもね。

◆「女優」「俳優」、コンプラ問題からの呼び名の変化も

――室井さんは俳優と作家、両方で活躍しています。いま、「俳優」と言いましたけど、こちらも本書にも登場しますが、最近は「女優」「俳優」呼びに迷います。

室井:私なんかは本名が「滋」でしょ。女優って言ってもらわなかったら、私を男だと思ってる人もいたと思うんです。本を書くお仕事もしてますけど、実際、中には字面でしか私の名前を見ていなくて、「ずっと男だと思ってました」という読者からの手紙をもらったこともありますから。

――室井さんは、呼ばれる当事者ですが、室井さん個人としては。

室井:女優でいいじゃんって思います。私は。今さら俳優って言われてもなぁと思うし。女優のほうが、女が優しいって書いて、響きもいいじゃん。

ほかの言動にしても、いまって、誰に気を使ってるのか分からないようなコンプラ問題がたくさんありますよね。私なんて、あちこちでしょっちゅう注意されちゃう(笑)。

◆化粧水も乳液も、日焼け止めも塗らない

――室井さんはいつも変わらずバイタリティに溢れていますね。ちなみに中年期の女性の心身の変化については、どう体験してきましたか?

室井:30代後半から40代前半くらいの更年期に入っていく序章みたいな年齢って、やっぱりいろいろあるみたいで、周りの友達とかは、めまいがするとか症状が出る人がいましたね。私自身は、眠れないとかイライラするとか、いっぱい汗が出るとか、そういうことも幸いなかったんです。

――お肌もキレイですが、ケアをほとんどされていないというのは。

室井:何もしてません。今日はお化粧してますけど、普段は全然。日焼け止めも塗らない。メイクさんに怒られます。

少し前にテレビの『ぽかぽか』(フジテレビ系)に出たときにご一緒した、河野景子さんの娘さんの白河れいさんからも「化粧水も乳液も付けていないって本当ですか?」って聞かれたので「何も」と答えたら「気にならないんですか!?」と驚かれていました。

◆つやつや黒髪のヒミツは、食生活にあり?

――食べ物はどんなものを。

室井:納豆は毎日食べてる。あと、毎朝、アマニオイルをティースプーンに1杯飲んでます。それから卵と牛乳とヨーグルトだけはケチらずに高いものを取り寄せてます。「卵ぐらいは贅沢してもいいじゃん!」って。

それから出身の富山によく行くので、地元のお米とか、いただいたお刺身の昆布締めを食べたり。魚は必ず食べてるかも。あと1日30品目食べることは心がけてます。

――食事にはかなり気を使われてるんですね。

室井:気を使ってるってほどじゃないんだけど、食べたいものを食べてたら、自然にそうなった感じかな。日本固有のものが好きで、シイタケとか山菜なんかもすごく好き。あと海苔と昆布はかなり食べる。サプリは基本的に飲みません。

――海苔と昆布の話がでましたが、室井さんは、髪もいつもおキレイです。

室井:髪の毛がすごく多いんです。この前も、自転車に乗っていたら、事務所の子が後ろからゲラゲラ笑いながら来るから、「どうしたの?」と聞いたんです。そしたら「室井さんの毛が風になびいて広がって、頭が大きな昔話の『食わず女房』みたいだった」って(笑)。

――最近はグレイヘアの方も多いですけど、室井さんは黒髪ですね。

室井:白髪もあると思うけど、全体にいちいち染めたりはしてないです。ちょっと出てきたところを染めるくらい。

――そうなんですね。食べ物も関係があるんですかねぇ。

室井:どうなんだろう。ただ私たちの職業は特にそうなんだけど、一般の方も、今の40歳前くらいの女性を見ていると、細いほうがいいと思っていて、ダイエットが当たり前になってますよね。結果、偏(かたよ)った食事になったりしてる人が多い。

そういうのはツケが来るかなとは思います。やっぱり自分が口にするものが偏っている人は、考えたほうがいいかなと。

◆元気で過ごせているのは、チビやタマたち、猫のおかげ

――室井さんも30代の頃、かなりお酒を飲んでいたと聞きますが。

室井:お酒は飲んでました。でもお酒は自然由来のものだし。それに私、もともと家では全然飲まなくて、外で飲んでたんです。それも猫を飼うようになって変わりました。

猫がいるから、早く帰ってうちでご飯食べようって。暴飲暴食みたいなのもそれでなくなって健康的な生活になった。

――猫ちゃんのお話がでましたが、以前、室井さんのもとにかつて飼っていた愛猫・チビちゃんの幽霊が現れたことがあるとか。

室井:幽霊って言わないで。幽霊じゃないです。チビです。チビが出てきて言葉をかけてくれました。何を言ったか具体的な言葉は秘密なんですけど、今も私のことを見ていてくれると感じます。

今日も仕事で嬉しい話が入ってきたから、「チビとタマがそういう風にしてくれてるんだと思う」と真顔で言ったら、「仕事が入ってきたのは、ご自身の力じゃないですか」って、スタッフさんに笑われちゃって。

――私も愛猫は体が消えてもずっと近くにいると思います。

室井:絶対に見守ってくれてると思ってます。だからこれまで不調がなかったのは猫のおかげかも。ダイエットはしてなかったけど、あのままの生活を続けていたら、ひょっとしたら不調が出ていたかもしれないし。私の場合は猫のおかげで真っ当になれたと思います。

<取材・文・撮影/望月ふみ>

【望月ふみ】
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

このニュースに関するつぶやき

  • 男女差をなくすためか最近は女優を俳優と言いますよね!女優という響きが美しいのにね!
    • イイネ!16
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