【動画】『盤上の向日葵』超特報
2018年本屋大賞第2位となった柚月裕子による同名小説を実写化する本作は、生きる意味を問いかけるヒューマンミステリー。
とある山中で発見された身元不明の白骨死体。事件の唯一の手がかりは、 死体とともに発見された高価な将棋の駒だ。その駒の謎を追う刑事たちは、とんでもない事実に突き当たる。この世に7組しか現存しないその貴重な駒の持ち主は、プロ将棋界に彗星(すいせい)のごとく現れ、一躍時の人として世間を騒がせている異色の若手棋士・上条桂介だったのだ。
やがて上条をめぐる捜査線上には<賭け将棋>で圧倒的な実力を持ちながら裏社会に生きた男・東明重慶の存在が浮かび上がる。東明と上条のあいだにいったい何があったのかー。そして明らかになる上条桂介の壮絶な過去とはー?
突如将棋界に現れた異色の天才棋士・上条桂介役には坂口健太郎。賭け将棋の世界で圧倒的な実力を持ち、上条桂介に大きな影響を与える男・東明重慶役を渡辺謙が務める。
原作者の柚月は執筆にあたり<光と影><人間の業><人生を生き切る>という三つのテーマを根底に据えたという。2017年にこの小説に出会い、「人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマ」にほれ込み、原作者も絶賛する脚本を書き上げたのは熊澤尚人監督。
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現場で火花を散らした俳優二人は「相手の役を考えた上で自分の芝居をする。現場でいろんな会話をして試しながら、桂介と東明という二つの役を、二つの関係性を(渡辺謙さんと)一緒に作り上げていった感覚がありました」と坂口。「将棋界を描きながら、深い業を背負った男の生き様に心奪われました」と語る渡辺も、「坂口君は、真っ直ぐです」「彼の演じる桂介も様々な困難な生い立ちの中、懸命に真っ直ぐに生きていきます。それは坂口君自身が悩み苦しむのに似ています。おそらく、今作で彼の違う一面が見られる事でしょう」と述べている。
超特報映像は、決然とした表情で歩く主人公・上条桂介(坂口)の姿から始まる。警察車両が<事件>の発覚を伝え、<将棋の駒>、<新人王戦トーナメント>の会場風景が、その事件と将棋界との関わりを示唆する。その後に続く「命を張った真剣勝負、見たくねえのか」と暗闇から挑発する男・東明重慶(渡辺)の姿。血の付いた手、受け入れがたい感情に揺さぶられる上条の姿が続く。画面は一転し、「僕は、生きたいんだ」という上条の声に重なる、寒さに震える少年の姿。上条と、東明の間に、いったい何があったのか。一面に咲き誇るヒマワリが意味するものとはー。
ティザービジュアルも、一面のヒマワリの中で行くべき道を見つめる上条桂介と、我が道を行く東明重慶の姿を配置。このふたりの出会いから壮大な物語が始まる期待と予感に満ちたビジュアルとなっている。
映画『盤上の向日葵』は、10月31日より全国公開。
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コメント全文
■坂口健太郎
<作品について>
桂介役のお話をいただき、年齢を重ねて、自分の見え方が多少なりとも変わってきたんだなということをあらためて確信した作品です。
観てくださる方の苦しみや悩みだったり、想い、抱えているものに答えを出す作品というより、自分にしかできない選択を提示するような作品だと思っています。最初に台本を読んだときに感じたすごく密度の濃いものが、現場ではより色濃くなって、血と汗と涙といった熱量をとても感じました。目に見えなくても、何か目に見えそうなぐらいの熱気が充満してる、そんな瞬間に立ち会わせていただきました。
<初共演の渡辺謙さんについて>
現場でもコミュニケーションをたくさんとられ、常に自然体で、とても波長が合う、すごく気持ちの良い方でした。監督が作品の全体を見てくださる一方で、役としての全体の軸のようなものを謙さんが示してくださっていて、様々なものをまとめていくエネルギーをすごく感じました。 相手の役を考えた上で自分の芝居をする。現場でいろんな会話をして試しながら、桂介と東明という二つの役を、二つの関係性を一緒に作り上げていった感覚がありました。
■渡辺謙
<作品について>
ハードボイルドで、流血必至の作家、柚月裕子さんの今作「盤上の向日葵」。
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将棋でしか生きられない切ない男達、その生き切る姿をご覧下さい。
<初共演の坂口健太郎さんについて>
坂口君は、真っ直ぐです。
彼の演じる桂介も様々な困難な生い立ちの中、懸命に真っ直ぐに生きていきます。
でも東明にあってしまい、将棋の奥深さと勝利への執念に目覚めます。
それは坂口君自身が悩み苦しむのに似ています。
おそらく、今作で彼の違う一面が見られる事でしょう。
■熊澤尚人監督
<作品について>
原作を読んだのが2017年。高価な将棋の駒を死体と一緒に何故埋めたのか?その謎を解くミステリーですが、親子の葛藤と人間の業、人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマとして大変面白く、映画化したいと直ぐに映画会社に持ち込みました。脚本を書き始めてから約7年。沢山のハードルがありましたが、粘り強く乗り越え、完成へと至りました。大まかに5つの時代が、宿命と因果で繋がる物語を映画にするのは大変難産でしたが、降りかかる苦しみの中、自らの意志で人生を選択していく男の物語であり、主人公のその心情を一番大切に紡ぎました。多くの人が共感できる作品を作り上げることができたのではないかと思っています。ぜひご期待ください!
<坂口健太郎さんについて>
運命に翻弄され、異端の棋士となる主人公の桂介を、繊細に、そして大胆に演じきってくれました。桂介は幼い頃に父親のせいでプロ棋士になれず、挫折します。それは居場所、自己肯定感を奪われる経験でしたが、強い心で再挑戦し、自分の宿命に立ち向かって行きます。その過程の葛藤や心情を惚れ惚れするぐらい丁寧に表現してくれました。桂介は東明を怨みながらも実は惹かれていくのですが、脚本だけでは上手くいかない要素を見事に演技で成功に導いてくれました。そんな桂介が東明と魂と魂をぶつけ合うシーンは見ものです。男の色気に満ち溢れた、今まで見たことのない坂口さんの新たな代表作が誕生したのではないかと感じています。
<渡辺謙さんについて>
賭け将棋で生計を立てる真剣師として伝説的な強さだった東明を、渡辺さんが演じてくれたおかげで、脚本をはるかに超える作品に仕上げてくださいました。人間として最低、将棋指しとしては一流、無頼派だが、業深く刹那的で破滅的なのに、何故か憎めない人間的な魅力に溢れる男を見事に演じるというより、生み出して頂きました。準備中から、気さくに様々な意見やアイディアを投げかけてくれ、一緒に東明を作り上げて行く過程が、毎日楽しくて仕方なかったです。東明は継承を残す男ですが、私も渡辺さんから映画精神を継承する素敵な経験をさせて頂きました。