Text by CINRA編集部
『第172回芥川龍之介賞』が発表された。
受賞作は安堂ホセ『DTOPIA』と鈴木結生『ゲーテはすべてを言った』。
1994年に東京で生まれた安堂ホセは、2022年に『ジャクソンひとり』で『第59回文藝賞』を受賞しデビュー。『DTOPIA』は恋愛リアリティ―ショー『デートピア』を舞台に白人女性「ミスユニバース」を巡って、Mr.L.A、Mr.ロンドン、Mr.東京ほか各国・各都市を代表する総勢10人の男が競い合う姿を描いた作品だ。
2001年に生まれ、福岡在住の鈴木結生は『人にはどれほどの本がいるか』で『第10回林芙美子文学賞』佳作を受賞しデビュー。『ゲーテはすべてを言った』では、高名なゲーテ学者・博把統一が一家団欒のディナーで彼の知らないゲーテの名言と出会い、ティーバッグのタグに書かれたその言葉を求めて膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿る姿が描かれる。