【動画】草笛光子、主演最新作『アンジーのBARで逢いましょう』予告
1953年の映画初出演後70年に渡りドラマ・映画などに出演しつづけ、1999年に紫綬褒章、2005年に旭日小綬章、2013年に第48回紀伊國屋演劇賞・個人賞、永年の舞台の功績に対して2014年に第39回菊田一夫演劇賞・特別賞、2020年に毎日芸術賞、2022年に日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した草笛光子。90歳で映画単独初主演となった『九十歳。何がめでたい』が大ヒット、同作で日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を受賞。年齢を重ねるにつれ輝きを増し、その飾らない生き方が、世代を超えて大きな支持を受けている。
そんな唯一無二の存在感を放つ草笛が最新主演作に選んだ『アンジーのBARで逢いましょう』は、突然町にやってきて、いわくつきの物件でBARを開く謎多き“お尋ね者”アンジーを描くオリジナル映画。昨年10月に91歳を迎えた草笛が、スクリーンで史上最高齢(!?)のヒロイン・アンジーを生き生きと演じる。
「風に吹かれた」と突然町にやってきた、得体の知れない女・アンジー。いわくつきの物件でBARを開き、「人間まともなもん食わないとだめよ!」「本当に怖いのは人間だけだ」「過去に追いつかれると食い殺されちまうからね」「いくつになっても生きることは簡単じゃないの。面倒だし複雑だし汚いことだらけ」と、心に刺さる名言を厳しくも優しく投げかけ、悩み多き町の人々をだんだんと変えていく―。
そんなアンジーを取り巻く町の人々には、豪華共演陣が集結。アンジーに二つ返事で物件を貸す大家の熊坂役に寺尾聰、女手ひとつで息子を育てる美容師・満代役に松田陽子、満代の息子で悩みを抱える高校生・麟太郎役に青木柚、石材屋の息子・政志役に田中偉登、古い迷信にとらわれる梓役に石田ひかり、そして謎の青年にはディーン・フジオカがふんし、作品を紡ぐ。
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監督は、大林宣彦監督などの助監督を長年務めた松本動(まつもとゆるぐ)。『私立探偵 濱マイク』シリーズ、『十三人の刺客』を手掛けた天願大介が脚本を担当した。
松本監督は「老若男女、誰もが憧れるような『アンジー』を誕生させ、草笛さんに楽しく自由に演じてもらうことで、『アンジー』の活躍に魅了される素敵な映画がきっと生まれ、観てくれた人達を元気にしてくれるだろう」という想いを作品に込めたという。草笛については「私ね、アンジーみたいな役を、ずっとやりたかったのよ!」と撮影中に言われ、感激したことを明かしたほか、「そのチャーミングさで、いつも太陽のように撮影現場を明るくして下さり、クランクアップした後は、私だけでなくスタッフも草笛ロスになっていました」と語っている。
予告編は、アンジーがトンネルを抜けて歩き、風が吹いた場所にある廃墟を見つめるシーンからはじまる。そして、それぞれに問題を抱えている町の人々が、突如現れたアンジーと触れ合うことで魔法にかけられているように表情がだんだん変わっていく様子が映し出されていく。さらに、そんな心温まるおとぎ話のような雰囲気から一転して、何者かにアンジーが見張られている不穏なシーンも。アンジーが冗談めかして言った「私、実はお尋ね者なの」の意味とは? BARのカウンターでアンジーが話す「生きるってことは簡単じゃないの。最初の一歩を踏み出したら、動く! 動く! 動く!」の言葉が心に刺さる、元気がもらえるような予告となっている。
ポスターは、真っ赤なドレスを身にまとったアンジーが、肩肘をついて椅子に腰かけ何かを想う様子をとらえたもの。この謎めいたパワフルな女性・アンジーは本当にお尋ね者なのか、それとも悩める人々を魔法にかけるように救っていくヒロインなのか。草笛は「皆さまも是非アンジーに会いに映画館にいらしてください」と呼びかけている。
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※草笛光子、松本動監督のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■草笛光子(アンジー役)
この映画は不思議な映画です。風が吹くように現れた得体の知れない女が出会った人の人生をそっと変えてしまいます。いつもは台本をいただくと「さて、どう演じようか」と悩むことが多い私ですが、この映画は珍しく肩に力が入らず、自然に柔らかく演じることができました。
そして、豪華な共演者の皆様がたくさん出てくださって感謝しています。寺尾聰さんは若い頃私の息子役をなさったご縁でプライベートでもずっと仲良くしていましたが、共演は何年ぶりでしょうか? 久しぶりの共演はとてもうれしかったです。ディーン・フジオカさんもかっこよく登場されるし、石田ひかりさんも面白い役どころで、どちらのシーンも楽しかったです。
アンジーが映画の中で生き生きしていると感じていただければ嬉しいです。皆さまも是非アンジーに会いに映画館にいらしてください。
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高齢の方が主人公というと、病気や死がテーマのことが多いですが、年を重ねた女性が元気にカッコよく痛快に活躍するような今までの邦画には無かったような映画にしようと決めていました。老若男女、誰もが憧れるような『アンジー』を誕生させ、映画という架空の世界で思いっ切り躍動させたい、そのためにも草笛さんには楽しく自由に演じてもらおう、そうすれば必ずや草笛光子演じる魅力溢れる『アンジー』の活躍に魅了される素敵な映画がきっと生まれ、観てくれた人達を元気にしてくれるだろう。という願いと想いを込めて制作を進めました。
草笛さんとご一緒した率直な感想は、とにかくその存在自体が絵になる、撮影の舞台にちょこんと座っているだけで何か物語が生まれるような俳優さんです。そして何と言っても本当に可愛らしい方です。「私ね、アンジーみたいな役を、ずっとやりたかったのよ!」と言って、悪戯っ子のような眼差しで可愛く微笑んで下さったことが、楽しんで演じてくれているんだと分かり、本当に嬉しかったです。そのチャーミングさで、いつも太陽のように撮影現場を明るくして下さり、クランクアップした後は、私だけでなくスタッフも草笛ロスになっていました。今回、草笛さんが主演の映画を監督させて頂く事が出来て、大変光栄に思っています。