北九州中3殺傷 容疑者を2カ月の鑑定留置 福岡地検小倉支部

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2025年01月16日 15:12  毎日新聞

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毎日新聞

平原政徳容疑者=北九州市小倉南区で20日午後2時7分、上入来尚撮影

 北九州市小倉南区のファストフード店で中学3年の男女2人が殺傷された事件で、無職の平原(ひらばる)政徳容疑者(43)=殺人容疑などで逮捕=の事件当時の精神状態などを調べる必要があるとして、福岡地検小倉支部は16日、鑑定留置を裁判所に請求し、認められたことを明らかにした。留置期限は3月14日までの約2カ月間。


 鑑定留置は専門医が容疑者の精神状況や生活実態、成育歴を調べるため、勾留を停止して身柄を医療施設などに移す司法手続きの一つ。想定される裁判員裁判では刑事責任能力が争点になる可能性があり、地検支部は起訴前に精神鑑定の実施が必要と判断した模様だ。


 事件は2024年12月14日午後8時25分ごろ、小倉南区徳力(とくりき)1のマクドナルド店舗内で発生。塾帰りなどに同店に立ち寄った同級生の2人がレジの列に並んでいたところ、相次いで無言で刺され、男子生徒(15)は腰を刺され1カ月の重傷を負い、腹を刺された女子生徒(15)は失血により亡くなった。


 福岡県警は事件発生5日後の同19日、平原容疑者を男子生徒に対する殺人未遂容疑で逮捕。今月9日に女子生徒への殺人容疑で再逮捕した。県警によると、殺人未遂容疑については刺した行為を認める一方、殺意は否定し、殺人容疑は「認めない」と供述。ただ、平原容疑者の弁護人によると、女子生徒についても刃物で刺した行為は否定していないという。


 捜査関係者によると、平原容疑者は逮捕前、自宅にこもって生活しており、捜査の動きを警戒していた可能性がある。逮捕後の取り調べでは声を荒らげる場面もあったが、受け答えはできているとし、県警は刑事責任能力に問題はないとみている。


 一方、現場から約1キロ離れた住宅で1人暮らしをしていた平原容疑者は事件の1年以上前に離婚し、孤立を深めていたとみられる。窓から火を付けた爆竹を投げたり、拡声器を通して叫び声を上げたりしていたといい、24年5月と10月には周辺住民らから県警に苦情が寄せられていた。


 また、事件では顔を隠さずに黄色いサンダルで現場を訪れ、逃走後に同じ着衣で買い物に出かけていたとみられる。凶器とみられるナイフは平原容疑者の車の中から血の付いた状態で見つかり、明らかに証拠隠滅を図った形跡はなかった。


 福岡県弁護士会北九州部会によると、平原容疑者は逮捕後、弁護人が選任されない状況が続いていた。刑事訴訟法は、容疑者が精神上の障害やその他の事情で弁護人が必要か判断できない場合、裁判所が職権で選任できると規定。小倉簡裁は逮捕から5日後、この規定に基づいて弁護士2人を職権で選任した。殺人容疑での再逮捕後は、さらに別の弁護士に担当が変わったという。


 地検支部は精神鑑定の結果を踏まえ、起訴の可否を慎重に判断するとみられる。【河慧琳、井土映美】



このニュースに関するつぶやき

  • 鑑定してどうするのさ。動物が人を殺すと鑑定されずに殺処分されてるじゃん。モヤッとする。違和感しかないんだよね。
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