【写真】三吉彩花はパンツルック、齊藤京子は純白ドレスで ドレスアップした全身ショット
■「たくさんの良い作品に出会いたい」
――“一寸先はおじ”さんの『遊園人』がグランプリに選ばれた授賞式でしたが、いかがだったでしょうか?
三吉彩花(以下、三吉):ファイナリストの方々が授賞式の会場にいらっしゃったので、熱気を感じられてこちらも緊張しました。グランプリや準グランプリといった5つの賞の枠組みはあったのですが、どの作品も素晴らしく、新たなクリエイターの皆さんの作品を知ることができたのは充実した時間でした。
――齊藤さんが主演ということで実写になるのかなと思いつつ、アニメーションの『遊園人』が選ばれ、忖度のない審査結果だったと改めて感じました。齊藤さん、主演への意気込みは?
齊藤京子(以下、齊藤):『遊園人』を拝見した時は、本当に見入ってしまいましたし、とても衝撃的な結末でした。現代人がすごく考えさせられる物語だったので、一寸先はおじさんの新作がとても楽しみですし、精一杯主演を務めさせていただきたいという気持ちです。
――グランプリ以外で印象的だった作品はありますか?
三吉:『遊園人』は審査員から1票ずつ票が入ったので満場一致でしたが、皆さん本当にバラバラのセレクトだったんです。わたしが特に気になったのは、準グランプリに輝いた、『モブライフ』です。10分という短い尺の中で、分かりやすく物語が展開されていた上に、キャラクターも魅力的で、思わず会ってみたくなるようなキャラクターがたくさんいました。個人的に結構お気に入りです。
齊藤:わたしはストップモーションの『灯台守と迷子の幽霊』が心に残っています。世界観がとてもかわいくて、あの画が忘れられません。食品サンプルやミニマムなものが普段からすごく好きなのもあって印象的でした。
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三吉:普段からSNSや動画プラットフォームは仕事のツールとして使いますし、TikTokはわたし自身の日常にもあふれています。ショートドラマや縦型映画は、自分の日常を豊かにする上で必要なコンテンツなので皆さんにもその魅力を知っていただきたいですし、わたし自身ももっとたくさんの良い作品に出会いたいです。
齊藤:スマートフォンの縦型画面は皆さん普段からなじみがあると思うのですが、横型の従来の映画とは違った、縦型ならではの迫力があると感じました。映画のように大スクリーンではないのに、迫力を感じられるのは縦型映画ならではの魅力じゃないかと思います。
――俳優目線で見た縦型映画はいかがでしょうか? 横が映らないという制約を生かせるかが鍵になりそうです。
三吉:縦型の映像でお芝居をしたことはないのですが、スマートフォンで雑誌の表紙を撮影したことがありまして、その時も画角や縦ゆえのインパクトの持たせ方がすごく難しかったのを覚えています。いつも使っているスマートフォンで撮る方が普通のカメラよりも結構難航して…。静止画でさえこれだけ難しいのに、さらにストーリーや起承転結を作っていくのは難易度が高そうです。でもすごくやりがいを感じるだろうなと思って、個人的には興味があります。基本的にどんなお芝居でもできると思うのですが、縦型であることを考えると、カメラをただ見つめるという役が面白そうです。一言もしゃべらず、ただずっとカメラ目線の女…。
――想像しただけで最高です。齊藤さんはやってみたい役はありますか?
齊藤:やってみたい役とはまた違いますが、アニメーション作品でアフレコに挑戦してみたいです。お芝居のお仕事も大好きなのですが、今までの声のお仕事をさせていただいた際も毎回すごく楽しくて。今回主演を務める作品が、実写かアニメーションなのかはまだ分からないのですが、実写だったら一寸先はおじさんにとって初の実写作品になるので、どちらもとても楽しみです。
――年々応募作品のクオリティーと知名度が上がっていく「TikTok TOHO Film Festival」ですが、今回の授賞式を見て、「来年こそは」と考えているクリエイターさんもいらっしゃると思います。最後に未来のクリエイターさんの背中を押す一言をお願いします。
三吉:今回の授賞式でしんのすけさんがおっしゃっていたように、4回開催されている中で、今年は多数のアニメーションがファイナリスト作品に選ばれていて、“今年の色”を感じる映画祭だったと思います。4年の間に時代の変化があり、クリエイターさんたちにもさまざまな変化があったのだろうと想像します。まだまだいろんなジャンルでの可能性が秘められているのではないかなと思いますし、スマートフォン1つで見られるというトライのしやすさもあるかなと思うので、たくさんの方にいろんな作品を楽しく作っていただけたらうれしいなと思います。
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(取材・文:阿部桜子 写真:高野広美)