「つまんないよね」山田邦子が振り返る“松本人志”不在の『M-1』“審査員全員が現役の漫才師”に私見も

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2025年01月19日 11:10  web女性自身

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「今回は本当に変わりましたもんね。ずっと見てきた番組なので、私は全部楽しく見させていただきました。出なくてよかったなと思って(笑) 出たら出たでいいんだろうけど、私がいても“おばば感”がことさら際立っちゃたかも」



そう明るい笑顔で語るのは、’22年、’23年の漫才日本一決定戦『M-1グランプリ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で決勝審査員を務めた山田邦子(64)。



令和ロマンが史上初の2連覇を果たした昨年末開催の大会(以下、今大会)では審査員を外れたが、視聴者の1人として楽しんだという。



いっぽう今大会は開催20回の節目となり、審査員のメンバーと人数が一新されたことも大きなトピックスだった。前大会までの7人体制から9人体制となり、芸能活動を休止しているダウンタウン・松本人志(61)が不参加に。



そして審査員席に座ったのは、アンタッチャブル・柴田英嗣(49)、海原ともこ(53)、オードリー・若林正恭(46)、かまいたち・山内健司(43)、ナイツ・塙宣之(46)、中川家・礼二(52)、NON STYLE・石田明(44)、博多大吉(53)、笑い飯・哲夫(50)。このうち柴田、若林、山内は、初めての参加となった。



世代交代による“若返り”を感じさせるだけでなく、審査員全員が漫才師で統一されたことも大きな変化だった。“非漫才師”として審査員を経験した山田は、こうした点をどう見ただろうか?(全2回・前編)



「『一般の高齢者の方がもう見てないんだ』って思っちゃうようなキャスティングでしたよね。でも、一番売れてる子たちが審査したんだから、これはこれで華やかだったなと思いますよ。審査員はすごい緊張してましたよね。あそこに座った身としてわかるんですけど、独特な空気が流れてるなかでよく頑張っていたなと思います」



いっぽう大会終了後の大晦日に放送された『あちこちオードリー 新春ノーカットSP』(テレビ東京系)では、伊集院光(57)が呈した“懸念”も注目を集めていた。



番組で「『M-1』の審査員っていつからこんな漫才の人だらけになった?」と、疑問視した伊集院。大会当初は劇作家・鴻上尚史氏(66)や落語家・立川談志さん(享年75)などバラエティに富んだ人選だったことを指摘し、「『M-1』に出たことある人たちで、しかも『M-1』がちゃんとステップになった人たちが全員審査員でいいの? すごい特殊じゃん。そういう文化って滅びない?」と苦言。その上で、漫才の技術を見る視点が「どんどん鋭角していくじゃん」「滅びるよ」と憂いていた。



そんな伊集院の気持ちを、山田はこう推し量る。



「伊集院くんは頭がいいからそうやって言うけど、多分、“バラエティとして老若男女にウケるお祭りなのに”って意味だったのでしょうね。審査員全員が漫才師になったことで、“偏ってる”っていう風に見たんじゃないかしら。私はそれはそれで、いいような気がするけどね」



とはいえ、こう理解も示していた。



「もうお祭りなんだったら、いろんな人が審査員席に座るべきでしょうね。いままでの歴史を振り返ればね。やっぱりすごい重鎮と言われてるような辛口の人やら、いろんなジャンルの人がお座りになりましたもんね」





■「凄まじかったですね」審査員に初めて抜擢されて体験したバッシング



“頭で考える審査”については「つまんないよね」と評し、『M-1』の決勝戦に進出している芸人はすでにプロであることを指摘する。



「時間制限があるのは好きだけど、ネタのことは売れてる人に対して言うことないんだよね。私だって同業者だからネタを見て、『間違えたんだろうな』とか『そのオチじゃない方がよかったな』と思うことはあります。だけど、その人たちはもうプロの売れてる人たちなんで。



例えば、 新人賞決定戦とかオーディションだったら、『立ち位置がおかしい』とか『前フリが長すぎる』とか技術的なことは言うかもしれません。そういう細かいことも当たり前のようにいっぱいあるんだけど、『M-1』の決勝戦はそういうレベルじゃないので。ただただもう、“ゲラゲラ笑わせてくれる人が優勝”って思ってるんですね」



短時間でジャッジを求められる審査員だが、今大会では海原のヤーレンズに対する審査内容に賛否が巻き起こったことも。クセの強い“おにぎり屋さん”のネタに対して、94点をつけた海原は「もっとしょうもないものが見たかった」とコメント。しかしその後に言葉を詰まらせていたため、ネットやSNSで“審査員なら言語化して”“ヤーレンズに失礼”といった批判を浴びてしまったのだ。



若林も『あちこちオードリー 新春ノーカットSP』で「発表から終わって3日間叩かれるまでが仕事」と語っていたように、審査員を務めるには“覚悟”が必要とされている。審査員も審査されてしまう時代だが、山田は初めて審査員に抜擢された当時をこう振り返る。



「凄まじかったですね、本当に『死ね』とかね。まず『誰なんだ』『このド素人』といった反応が寄せられて。でも多分、真剣に『M-1』を見ているからなんでしょうね。私のことを知らなきゃ、知らないんだからね。だから『ごめんなさいね、山田邦子と申します』とかね、SNSでも返信してたんだけど。



そしたら今度は逆に私のファンが、『山田邦子を知らないでお笑い番組を語るんじゃねぇ』って怒っちゃって。それで、『言い合ったりすることも全部含めてこういう番組なんだな』って思ったんで、別に気持ちが落ち込むとかガッカリするということはなく、『もっとやれ!』って思いましたよ」



山田は“海原が言いたかったことは理解できる”として、こう語る。



「多分、ヤーレンズに期待してたんでしょうね。もうちょっとゲラゲラ笑いたかったんでしょうね。私もヤーレンズが大好きなんで期待してましたが、ネタの後半で『もっといけ!』って感じましたからね。



でも、そういうものだよね。“審査員として番組に出た意味=炎上”と捉えるのはちょっと嫌だけど、『あの人いたか?』『なに言ってた?』って言われるよりは、注目された方がいいよ。ともこちゃんは年間で何回も板の上に立つ人だから、“板の上の呼吸”というようなことが言いたかったのでしょう。いいんじゃないですか、それも一つの意見ですよ。審査員として目立つことができて、ちゃんと仕事をしたんじゃないですか」



バッシングも経験した山田からのエールは、今後、選ばれる審査員たちの励ましになることだろう。

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