松重豊、『劇映画 孤独のグルメ』ロケ地・五島列島に凱旋 市民300人と「腹が…減った!」

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2025年01月23日 10:00  ORICON NEWS

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『劇映画 孤独のグルメ』五島列島凱旋上映会に松重豊監督が登場 (C)ORICON NewS inc.
 俳優の松重豊が22日、自身が監督・脚本・主演を務めた『劇映画 孤独のグルメ』(公開中)を引っさげ、ロケ地の一つ、長崎県五島市に凱旋(がいせん)訪問した。福江島で行われた同映画の上映会では、集まった五島市民300人と一緒に鑑賞。上映後には、一人ひとりに井之頭五郎特製名刺を直接手渡して感謝を伝えた。まさかのサプライズに来場者も大興奮。「お腹すきました!」「五島を使ってくれてありがとう!」と思い思いのコメントを直接松重に伝え、笑顔で会場を後にした。

【画像】五島列島凱旋上映会の様子

 五島列島は、作中でかつての恋人・小雪の娘、千秋(杏)の祖父である一郎(塩見三省)の「子どものころに飲んだスープ“いっちゃん汁”がもう一度飲みたいから、食材を集めてほしい」という無茶振りから、“究極のスープ”の食材探しの旅に出た五郎(松重)が最初に訪れる地。

 松重が訪れるのは2023年9月〜10月に行った撮影以来とのこと。東京から飛行機を乗り継ぎ、五島市福江島の五島つばさ空港に無事に到着した松重は、凱旋上映会場まで移動する車内から、五島の景色を眺め、「あのシーンはここで撮影したな。このシーンは大変だったな…。大変だったけど、全部良い思い出。あの時の苦労話を、この場所にまた集まって、笑いながらみんな(撮影スタッフ)と話したいな」と当時を振り返りながら、懐かしそうな表情で会場に向かった。

 五島市・福江島には、映画館がないため五島高等学校にある五島メモリアルホールで出張上映という形での上映会となった。チケットは市役所で“手売り”され、1時間もしないうちに完売したという。会場には、「五郎」と書かれた手作りうちわや「五郎さんを引退させない!」というメッセージボードを持参している市民もいて、五郎(松重)の人気ぶりは五島でも健在。本編に登場する“みかん屋食堂”の店員や撮影に協力した消防団の方々、五島市長も来場した。

 会場に集まった300人から温かい拍手で迎えられた松重監督は「今日は集まってくださってありがとうございます!」と、手を振ってその拍手に応えた。会場の準備に時間がかかり、観客の入場開始が少し遅れてしまったことを詫びつつ、「いろんな意味で五島列島の島の食べ物や風土、景色がこの物語の根幹を成しております。撮影中は、ほぼ連日快晴で島の皆さんに大変お世話になりました。こうやって五島の皆さんの前でお披露目できるのが一番うれしいです」と、念願だった五島での上映会の実現に喜びもひとしおの様子だった。

 上映中は会場の片隅で松重監督も一緒に鑑賞。上映が始まると、五島列島のパートで、「ここでも撮影していたんだ!」というような「おぉ…!」とざわつく場面も。さまざまなシーンやせりふに対して笑いが起こり、特に無人島に漂着した後、自作のスープを飲んで泡を吹いて倒れる、松重のこん身のシーンや、韓国の俳優ユ・ジェミョン演じる入国審査官の「…ダイジョブデス」と料理のお裾分けを断るシーンなどでは、ドッと大爆笑が起きた。五郎(松重)が嵐に巻き込まれるシーンでは「危ない!」と声が上がるなど、作品に入り込んで楽しんでいる様子がうかがえた。

 上映後、割れんばかりの拍手が沸き起こり、会場が明るくなったところで、松重監督が再登壇。「五島から素晴らしい女優さんが誕生しました」と本編に登場した“みかん屋食堂”の店員を改めて紹介した。その後、松重は客席に降りて、自らマイクを持って観客からの質問にざっくばらんに答え交流を楽しんだ。

 この日は、松重監督からのサプライズプレゼントとして、入場時に5種類の五郎語録がランダムで書かれた割りばしが配布されたのだが、退場時にも“井之頭五郎特製名刺を手渡し”するサプライズ。しかも、松重は、1枚1枚直筆でサインを入れていたのだ。「サインの中に金色のペンで書いたものやハートマーク入りもあります」と松重監督からアナウンスがあったため、見事金色のサイン入り名刺を手に入れた人たちが大喜びする姿も見られた。

 松重監督は、設備の整った映画館と同じような上映はできない環境だったことから、「ヒヤヒヤしながら観ていたんですけど、五島の皆さんにこの映画を楽しんでいただけたようで、今までと違う感動を覚えました。こうしたお礼参りもどういうことをしたらいいのか、スタッフみんなで考えて(サイン入り名刺の手渡し)をやってみたんですけど、感想も聞けましたし、貴重な経験になりました。監督冥利に尽きます」と、上映会の成功に安堵の表情を浮かべていた。

 『孤独のグルメ』は、同名グルメ漫画(原作:久住昌之、作画:谷口ジロー)が原作。輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎(松重)が、ひとりで食事を楽しむ様子が自身のモノローグと共に描かれるスタイルが、「今までのグルメ漫画には見られない!」と人気を博し、2012年1月に松重主演でテレビ東京系連続ドラマとしてシリーズ化。深夜にひっそりと放送がスタートするや、食欲をそそる料理と松重演じる五郎の大胆な「食べっぷり」や「心の声」に多くの共感が生まれ、国内のみならず海外でも絶大な支持を得てシーズン10までシリーズを重ねる、“グルメドキュメンタリードラマの金字塔”となった。今回が初めての映画化となる。本作には、松重のほかに、内田有紀、磯村勇斗、村田雄浩、ユ・ジェミョン、塩見三省、杏、オダギリジョー、そして遠藤憲一が出演している。

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