『「進撃の巨人」-the Musical-』のアルミン・アルレルト役、舞台『刀剣乱舞』の堀川国広役など、話題の舞台作品に立て続けに出演し、圧倒的な存在感で近年注目を集める俳優・小西詠斗。
自身の25歳の誕生日である1月21日に発売された『小西詠斗2nd写真集水鏡』(KADOKAWA)は、俳優デビューから5年を迎えた今だからこそ表現できる彼の魅力を余すところなく凝縮された一冊。本書の先行カットが公開されると、パブリックイメージを覆す大人びた表情が、ファンの間で話題となった。
今回のインタビューでは「変化と成長」というテーマで、25歳を迎える現在の心境や経験を重ねた仕事面での手応えや展望を語ってもらった。
▪️経験を重ねることで培った自信「舞台と映像の両方ができるのは僕の強み」
――2nd写真集が発売される日に、25歳の誕生日を迎えられますね。幼いころに想像していた25歳の自分と現在の小西さん、そのイメージは合致していますか?
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小西:ぜんっぜん合致しないんですよね(笑)。やっぱり子どもの頃に想像していた25歳ってものすごく大人じゃないですか。僕も25歳になったらものすごくしっかりしていて男らしくなっているんだろうな〜って思っていたんですけど、まだ自分自身は大人になりきれなくて。友達といる時なんてずっとふざけてしまうんです。
――捉え方によって良いことかもしれませんね。
小西:確かに。良く言えば昔と変わらない(笑)。昔の気持ちを忘れたくない、とは思っています。でも昔のように物事を純粋に楽しめることが少なくなったり、挑戦することにも一瞬立ち止まってしまうことが増えていることにも気付いて、それが少し悲しいです。20歳の自分を振り返ると「昔は何も考えずになんでも挑戦していたな、無敵だったな」と思うんです。だけど今は、色んな経験をした上で責任を感じるようになったからこそ、立ち止まって考えることも増えました。
――その一方で、年齢とともに経験を重ねることで手応えを感じる瞬間も多いのではないでしょうか?
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小西:そうですね。色んな現場で経験させていただいたおかげで、仕事面では少しずつ成長していると感じることができています。同じお芝居という括りでも映像と舞台では全く違う種目だと思っていて。僕自身も、最初はその切り替えにすごく苦戦しましたが、今ではしっかりと切り替えができるようになりました。同世代でも両方ともできる人はきっと多くはないと思いますし、舞台と映像の両方ができるのは僕の強みなんじゃないかなと思います。
――多くの経験を重ねた上で、現在のお仕事のモチベーションを教えてください。
小西:さらに演じられる役の幅を広げられたらいいなとは常々思っていて、それが今の大きなモチベーションです。これまでは可愛らしい役や柔和な性格のキャラクターを演じることが多かったので、僕にそのイメージを持っているファンの方も多いと思うんです。だからそのイメージをひっくり返すような大人っぽい役や悪役も演じてみたいです。そういう役もできるんだぞって、ファンの方に見てもらいたいですね。
――2nd写真集の先行カットが解禁された時も、小西さんの大人びた表情に驚くコメントが多かったですね。その表情は無意識で出しているものなのでしょうか、それとも意識的に出しているものなのでしょうか?
小西:完全に無意識ですね。お芝居でも表情が重要なので、その経験から培ったものが写真集の撮影でも自然と出ていたのかもしれません。でも正直に言えば「大人っぽくなったね」というコメントをいただいても僕自身は何が変わったか、あまり分かっていなかったんです(笑)。だけど、ちょうど4年前の21歳の誕生日に発売した1st写真集『瞬間』と今回発売される2nd写真集『水鏡』を見比べてみると、確かに顔つきが全然違うんですよ。「ちょっと大人っぽくなったのかな」と感じることができて、自分でも面白かったですね(笑)。
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――やっぱり4年という期間は大きいですね。
小西:色んな現場で揉まれまくりました(笑)。よく周りの人からは「飄々としてる」なんて言ってもらえることがあるのですが、実はそんなことはなくて。心が折れることもあるのですが、飄々としているように見えるのは、その度に立ち直ってきたからだと思います。
「時間が解決してくれる」ってよく言いますけど、僕の場合は何回も心が折れても、立ち直るまでの時間がものすごく短くて。「もうこんなに考えても仕方ない!」って悩んでいる途中に思っちゃって、すぐ次へと進むことができたから、きっと顔つきも徐々に大人になれているのだと思います。
▪️飽くなき向上心「今でも悔しいと感じる瞬間がたくさんある」
――写真集にはファンの方々からも募集した121問の質問に答えるページも掲載されています。回答されてみて、いかがでしたか?
小西:内面について聞かれている質問に答えていると「意外と自分のことわかってないな」と感じる瞬間がたくさんありました。「あれ?これって僕はどう考えているんだろう?」「こういう時、どう思うんだろう?」と思うことがあって、改めて自分を見直す機会になってよかったです。質問に答えながら「昔はこうだったのに今は違うな」と感じられた瞬間が何度もあったのですが、その変化を振り返ってみると、どれも良い変化だったんです。この質問のおかげで自分が成長できているんだなと感じることができましたね。
――1st写真集が4年前の2021年1月21日に発売されて、ちょうど4年後に2nd写真集が発売されます。また次の4年後の29歳に向けての展望を教えてください。
小西:29歳までには仕事もプライベートも責任感を持って、浮つかずにしっかりと地に足をつけた人間になりたいです。今も何かと浮つきがちで、人に頼ってしまうことがまだ多いので、しっかりした人間になりたい。仕事の面では「この人に頼んだら絶対大丈夫だ」と思われるような俳優になりたいし、ずっと悩み続けていたいです。
――ずっと悩み続けるのは大変なのでは?
小西:大変だと思います。でも満足したらそこで終わりですし、役者として僕が目指しているところにはまだまだ到達できていなくて、今でも悔しいと感じる瞬間がたくさんあるんです。
今は同世代の俳優との共演も多いので、それが刺激になっていて環境にも恵まれていると思います。昔は他人と自分を比べちゃうこともあって落ち込むこともありましたけど、最近は比べても仕方ないと思えるようになって、焦ることはなくなっていて。自分を磨くことだけに集中することができているので、このまま走り続けたいですね。
――最後に、2025年はどんな一年にしたいですか?
小西:2024年は本当にたくさんお仕事をさせていただいて、毎日一生懸命突っ走っていたら、気付いたらあっという間に終わっていた1年でした(笑)。ただがむしゃらに走り切っただけではなくて、一つ一つの経験をしっかり吸収できたんじゃないかなと思っています。25歳を迎える2025年は、これまでの経験から学んだことを存分に活かして、まず役者として見ていただいている方を楽しませることを第一に、そしてしっかり評価していただける俳優になりたいです。
(取材・文=リアルサウンドブック編集部)
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