山田洋次氏(93)が監督を務め、木村拓哉(52)が出演する映画『TOKYOタクシー』が今年11月に公開されることがわかった。山田氏と木村がタッグを組むのは『武士の一分』(’06年公開)以来、2度目となる。
木村は東京を舞台に、金もなければ休みもなく、免許停止寸前で人生の崖っぷちに立たされているタクシー運転手を演じる。自宅を売り、終の棲家となる高齢者施設へ向かう女性を送り届けることから始まるヒューマンストーリーだという。
松竹創業130周年記念2025-26年ラインナップ発表会で木村は「登場人物たちの心の流れだったりを、本当に導いてくれる監督なので、また時間が過ごせるんだなって。すごく楽しみでしょうがないです」と語り、胸を弾ませていた。
長年、山田氏に携わってきた映像制作関係者は言う。
「山田監督はあるパーティーで当時まだ20代前半だった木村さんを見かけた時からずっと“撮りたい”と思っていたそうです。 “1人の若い侍が立っているようだった”と評していました。そして10年後に『武士の一分』で木村さんを起用しました」
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’06年の『武士の一分』の製作発表でのこと。山田氏は主演に木村を抜擢した理由について、大スターの名前を出しながら、こう話していた。
「木村君には求道者のような雰囲気が漂っているんですが……。そこがまさに高倉健さん(享年83)と似ているところ。ストイックなまでに自分を厳しく見つめる目がとても魅力的」
木村と高倉さんの“共通点”について、大手映画配給会社の関係者は明かす。
「高倉さんの没後、山田洋次監督はインタビューで高倉さんについて『芝居がうまいわけではない。味がある』と評したことがあります。
一方、木村さんはたびたび“何をやってもキムタク”と世間から言われることがあります。“演技派俳優”というよりも、“スター”というイメージが先行してしまうのでしょう。
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その中で真摯に芝居に向き合っていることが、役柄や映像を通して彼らにしか出せない魅力に繋がっているところはあるように思います。そういった“味のある”俳優を撮ることに、山田洋次監督は魅力を感じているのかもしれません」
間もなくクランクインするという『TOKYOタクシー』。”19年ぶりの山田氏と木村の再タッグに期待がかかる――。
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