新生「銀座ソニーパーク(Ginza Sony Park)」が、1月26日にグランドオープンする。開業に先駆けて、メディア向けの先行内覧会を開催した。
ソニーパークの前身となるソニービルは、1966年にソニーの創業者のひとりである盛田昭夫によって建てられた。長年ソニーのエレクトロニクス製品を紹介する場として活用されていたが、音楽や映画、ゲームや金融など、ソニーの事業が多角化してきたために、ソニービルの建て替えプロジェクトである「銀座ソニーパークプロジェクト」が始動。2018年に、ビルを解体する段階で生まれたスペースを公園にするという試みとして、「銀座ソニーパーク」が誕生し、3年間で854万人の来園者を集めた。その後、2021年に新築工事を再開し、2024年8月に新生 銀座ソニーパークが竣工した。
内覧会に先駆けて実施された説明会に登壇したソニーの永野大輔代表取締役社長は「銀座の街には余白が少ない」と指摘し、新生 銀座ソニーパークの設計には「余白を作ることを意識した」とコメント。その言葉通り、グランドオープンを控えた1月23日時点でも、地下3階のソニーが手掛けるカジュアルダイニングレストランを除き、テナントなどは全く入っていない。同パークは今後様々なコンテンツのプラットフォームとして、物販や他企業のプログラム、公的なイベントなどを催すことを想定しているが、今後も施設全体の4割ほどには何も入らない「余白」の部分を保ち続けていくという。
テナントの代わりに新生 銀座ソニーパークの核となるのがアクティビティだ。同パークのオープニングイベントでは、ソニーが展開する音楽、半導体、金融(ファイナンス)、ゲーム、エンターテインメントテクノロジー、映画の6つの分野をテーマに、アーティストとソニーのテクノロジーを掛け合わせたプログラム「Sony Park展2025」を開催する。今回の先行内覧会では、「Sony Park展2025」のなかから、Vaundy、羊文学、YOASOBIといった3組のアーティストによる、「音楽は、旅だ。」「半導体は、SFだ。」「ファイナンスは、詩だ。」をそれぞれテーマとした体験型プログラムが公開された。永野社長は「これまで様々なトライアルを重ねた結果『テーマ×テクノロジー×アーティスト』という組み合わせが、ブランド価値の向上に効果的かつ、ユーザー満足度が高いという結果が出た」と話す。
Vaundyによる「音楽は、旅だ。」(地下2階)は、「僕の心の曖昧な地層」をテーマに、自身が約200曲を選曲。来園者はヘッドホンを片手に、発掘するように音楽を探すことで、ジャンルや年代の垣根を超えてVaundyが作り上げた「音楽の地層」を楽しむことができる。レコードやCDなどの音楽ソフトや、Tシャツなどそれぞれの楽曲に関連するグッズに加え、ソニーのウォークマンやカセットテープ、MDなども展示されている。
YOASOBIによる「半導体は、SFだ。」(3階)は、楽曲「HEART BEAT」を核とした来園者参加型のアクティビティだ。楽曲のテーマである「心音」にフォーカスし、来園者の指先から測定した心音から「心音オブジェクト」というアバターを作成。来園者は、自身の「心音オブジェクト」が楽曲に合わせてYOASOBIのクリエイションと共鳴する音楽体験を楽しめる。
羊文学の「ファイナンスは、詩だ。」(4階)は、同グループの歌詞にフォーカス。楽曲や歌詞と映像、水、光が融合する音楽体験「Floating Words」が楽しめる。
そのほか、同プログラムでは、床に人の歩行に合わせた振動フィードバックを採用。来園者は、床を別の空間のように感じさせる技術「Active Slate」によって、水辺を歩くような感覚が味わえる。
「Sony Park展2025」では、パート1(Vaundy、羊文学、YOASOBI)が1月26日から3月30日まで、パート2(Creepy Nuts、BABYMONSTER、牛尾憲輔)が4月20日から6月22日まで開催。入場は無料で、公式サイトからの事前予約が必要となる。
ソニーパーク:公式サイト