32歳と39歳、2人の実力派俳優の出演作に「ハズレがない」理由。金ドラ共演に、原作ファンの「期待と不安」は

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2025年01月24日 16:00  女子SPA!

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画像:TBSテレビ『クジャクのダンス、誰が見た?』公式サイトより
冬クールドラマの放送が続々と始まっていますが、皆さんのお気に入りは見つかりましたか? 数多く放送されるドラマのなかから、観るものを選ぶとき“キャスト”に注目する人も多いのではないでしょうか。そういう意味で、1月24日スタートの『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系、金曜よる10時〜)を見逃せないと思っているのは、筆者だけではないはずです。

◆出演作品に“ハズレなし”といえる2人の俳優

本作は、映画化もされた人気ドラマの原作『イチケイのカラス』で知られる、浅見理都氏による同名漫画が原作。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘・山下心麦(広瀬すず)が、遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンスです。

主演の広瀬すずは、Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』での熱演も話題を呼んでいます。しかし、筆者が本作でそれ以上に注目した俳優は、磯村勇斗(32歳)と松山ケンイチ(39歳)です。この二人が出演している作品は、昨今本当に“ハズレなし”だと感じます。

◆飛ぶ鳥を落とす勢いの実力派・磯村勇斗

まず、磯村勇斗。2024年には、超話題作となったドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)に出演したのが記憶に新しいところ。筆者が磯村に注目したきっかけは、2017年の朝ドラ『ひよっこ』でした。

磯村はヒロイン・みね子(有村架純)が働く赤坂の洋食屋「すずふり亭」の見習いコック・ヒデを演じました。ヒデの真っ直ぐな人柄を丁寧に演じた磯村の好感度は爆上がり! みね子の初恋の相手・島谷を演じた竹内涼真と人気を二分するほどの存在感を発揮しました。

そして、彼の類まれな才能を確信した出演作が2本。1本目は映画『ヤクザと家族 The Family』(2021年)です。主人公・山本(綾野剛)を羨望の眼差しで見つめ、半グレ集団のリーダー格へと成長した男・翼を演じました。翼をただの悪い奴にせず、葛藤や心の機微をとことん感じさせた磯村。未来への光を見せた、作品ラストの演技には心震えました。

◆『きのう何食べた?』原作ファンも納得の“ジルベール”

もう1作品、磯村を語る上で欠かせないのが、ドラマが大人気で映画化もされた『きのう何食べた?』シリーズ。主人公のシロさん(西島秀俊)×ケンジ(内野聖陽)の友人で、小日向(山本耕史)の恋人・ジルベールこと航を演じています。よしながふみ先生による原作のファンからしても、文句なしにジルベール! 西島・内野・山本の3人をその自由奔放さで振り回す様子は、愛らしくて目が離せません。

この両極端な役どころを見事に演じ分け、2022年の第45回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。2023年には、映画『月』『正欲』、そして『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』『最後まで行く』『波紋』『渇水』に出演し、翌年の第47回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞をはじめ、各映画賞を総ナメにしました。どれも磯村の演技が、作品に大きな影響を与えています。間違いなく“良作に磯村あり”の活躍ぶり!

『クジャク〜』では、週刊誌の記者・神井孝を演じます。目的のためには手段を選ばず、主人公・小麦の身辺を嗅ぎまわる厄介な人物です。磯村が演じるからには“厄介者”をただの“厄介者”では終わらないはず。深い人間表現によって、作品の質を押し上げてくれることでしょう。

◆助演でも、主演と作品を愛させる天才・松山ケンイチ

そしてもう一人の“出演作にハズレなしの俳優”、松山ケンイチです。2006年に映画『デスノート』でL役を演じ、注目を集めるとたちまちトップ俳優の仲間入りを果たします。漫画原作の個性的なキャラクターも難なく担うことでカメレオン俳優と称され、第一線で活躍してきました。

主演俳優として圧倒的な華があることはもちろんですが、助演であっても非常にいい仕事をする俳優でもあります。直近の助演作品で印象的だったドラマは、井上真央主演の『100万回 言えばよかった』や、岸井ゆきの主演の『お別れホスピタル』、そして伊藤沙莉主演の朝ドラ『虎に翼』でしょうか。どの作品においても役がもつキャラクターの魅力は立たせながらも、相手に対する“受け”の演技が抜群でした。

◆強烈キャラを浮かせない匙加減と、異常に豊かな表情筋

強烈なキャラクターは作品のなかで浮きがちですが、松山はそのあたりの匙加減が絶妙。『虎に翼』では、主人公の寅子(伊藤)も、寅子と法曹界でやり合う判事・桂場(松山)もなかなかに濃い人物でした。しかし、ふたりが登場するシーンにおいて、決してその濃さが邪魔をしない。ふたりが生み出す間合いや、松山の“受け”によって、寅子の魅力がより引き立っていたようにすら感じました。また、表情筋が異常なほどに豊かな松山の“顔芸”も好き! その“顔芸”をもって、視聴者が寅子に対して抱く心の声を代弁していたのかもしれません。

何はともあれ、主演であっても、助演であっても、演じる役だけでなく、対峙する相手役すらも愛おしく感じさせる俳優力を松山はもっています。『クジャク〜』で演じるのは、主人公・小麦とバディを組み、事件の真相を追う弁護士・松風義輝。理屈っぽく余計なひと言が多い“くせ者”ですが、世話焼きな一面もあるキャラクターです。松山が演じる“くせ者”は、本当にくせ者! なのに、どこかチャーミング。本作においても、愛される作品になる演技を見せてくれそうです。

◆“くせ者”VS“厄介者”に期待しかない

原作ファンの筆者は知っています。松山演じる“くせ者”松風と、磯村演じる“厄介者”神井。ドラマでカットされていなければ、このふたりが対峙するシーンがあることを。ここ数年“ハズさない”と注目してきた松山・磯村の共演は、もうそれだけでドラマファンの心をくすぐります! 早く観たい!

未完の、しかも大好きな漫画の実写化には思うところはありますが……松山・磯村が出演するとなれば!! 何をおいても観なくてはなりません。リアルタイムで、正座しながら観ることになるでしょう。もう期待しかないのです。

<文/鈴木まこと>

【鈴木まこと】
雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201

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