テレビ大阪の「ドキュメンタリー7」では、あす25日に『6年3組の阪神大震災〜30年「記憶の溝」〜』(前11:00〜11:30)を放送する。
【写真】「記憶の溝」に直面…演技指導の風景 そして本番の様子 カメラは、阪神・淡路大震災の記憶を伝える劇団に密着。発災から30年、当時を知る世代・知らない世代との間に生まれた記憶の溝と向き合い、舞台に臨む姿を追った。
神戸を拠点に活動する「劇団自由人会」の代表作は、500回を超える公演を重ねてきた『6年3組の阪神大震災』。被災した小学生たちが綴った学級通信を舞台化したもので、作品の舞台となった樋ノ口小学校(西宮市)では、震災で5人が命を落とした。6年3組の上出真理子さんも自宅で下敷きとなり、亡くなった。
初演から30年となった今回、杉野じんべえさん(50)初めてとなる演出を任された。杉野さんも震災で友人を失っている。親しみやすいよう音楽劇に転換し、あの時の光景を思い浮かべながら、演技指導にあたった。
しかし、児童を演じるのは、震災当時生まれていない、生まれていても記憶がない20代〜30代前半の若者たち。30年間にある「記憶の溝」が浮き彫りとなっていく。当時の子どもたちは何を考え、学級通信につづったのか…。
演じる猫柳ルカさん(30)は亡くなった上出さんを見送るシーンで、ソロ歌唱をすることになったが、演出の杉野さんは1曲全てを任せない判断を下す。そして一同は、実際に樋ノ口小学校で、震災当時の6年3組の担任、松田満さんから体験談を聞く。本番で、若い役者たち演じる震災劇は「記憶の溝」を埋めることができたのか。