限定公開( 23 )
女優で歌手の伊藤蘭が25日、東京・江東区の東京ガーデンシアターでコンサートツアー「Over the Moon」のファイナル公演を行った。
昨年8月の大阪を皮切りに9都市を巡る歌の旅の千秋楽。約5500人の温かい声援と拍手に迎えられ、黒のライダースジャケット姿で登場すると「ICE ON FIRE」で幕を開けた。
最初のあいさつで「8月にスタートして今日で最終回。皆さんとお互いに元気に会えて同じ時間を過ごせてうれしいです。心を解き放して、ツアータイトルのように『月を越える』ほどの楽しい時間にしましょう。新年を迎えて気持ちも新たに心を込めて歌っていきます」。
新曲「風にのって」やキャンディーズのヒット曲「春一番」「その気にさせないで」「ハートのエースが出てこない」「年下の男の子」などをアイドル時代と変わらぬキュートな歌声で披露。華麗に踊って、舞い、ステージを所狭しと移動して歌声を響かせる伊藤に、客席からは「ランちゃ〜ん」と熱いコールが飛び交い、赤いペンライトが何度も大きく揺れた。
キャンディーズの思い出も語った。メンバーの田中好子さんは11年に亡くなり、藤村美樹さんは芸能界を引退している。「キャンディーズは4年半という短い時間だった。ソロになって今はキャンディーズ時代よりも長く歌っている。色あせない楽曲たちが、これからもより輝いて届けられるように、1人で寂しいけど微力ながら明日につなげたいです」。歌い継ぐ思いを吐露した後で「解散してからスーさん、ミキさんと会った時に、スーさんが『母も私もキャンディーズが大好きなの』と言って、私もミキさんもうなずいた。皆さんも同じ気持ちならうれしいです」。
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後半の「哀愁のシンフォニー」では「思い出に残る光景を皆さんと作りましょう」と呼びかけて紙テープ投げの応援を解禁。歌唱後に「皆さん、肩は大丈夫ですか?」と心配しながらも、ステージが紙テープのじゅうたんで染まる様を「美しい景色でした」と笑顔で振り返った。
アンコールでは長女の女優趣里が登場。コンサートでは初の親子共演で、趣里は主演したNHK連続ドラマ小説「ブギウギ」の劇中で歌唱した「買物ブギー」「ラッパと娘」を観客を前に初披露。趣里は「これまで共演を避けてきた訳ではなくて、尊敬する偉大な父と母なのでタイミングがなくて今日になった。ちなみに『不仲』と書かれることがあるけど信じないでね」。「春になったら」は親子のコラボ歌唱で盛り上げ、約2時間半で計25曲を披露したステージの幕を下ろした。
19年5月、キャンディーズの解散から41年ぶりに歌手としてソロデビューしてもうすぐ6年。伝説のアイドル、女優、さらにソロ歌手としても大きな輝きを放っている。【松本久】
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