――初回放送をもって解禁された、ONE OK ROCKさんの主題歌「Puppets Can’t Control You」についても多くのコメントがありました。
実は、2016年の「18祭」の動画を見たのが本作制作のきっかけなんです。「18祭」の中でTakaさんが「これからいろいろなことが起こると思うけれど、それに対する自分のリアクションに嘘をつかずに進んでいってほしい」と18歳の子たちに伝えていたのが印象的で。どうしても日本人って素直に自分の意見を言えなかったり、逆に言わせない空気を作る風潮もあります。でも誰かに自分の感情を伝える力は、社会で生きていくうえで大切なことです。ONE OK ROCKさんはこれまでドラマの主題歌はあまり手掛けられていませんでしたし、世界で活躍されている方だから難しいかもしれない…と思いつつ、ある意味当たって砕けろという気持ちででオファーしたところご賛同いただけて。本当にうれしい限りです。
劇中のテーマである「Personal is political(個人的なことは政治的なこと)」を表現する1つの手法として、詩森さんが神崎を報道部の設定にしてくれました。神崎が作った校内新聞が発端となり物語が展開する仕組みで、御上が説明していた「バタフライエフェクト」のように、小さな出来事が大きな影響を及ぼす可能性を描く意図がありました。詩森さんが提案してくれたこの設定は、社会派作品を多く手掛ける彼女らしい、計算された演出だと感じています。
実は、第2話で犯人は明らかになるのですが…、本作は殺人事件の犯人探しが目的のドラマではありません。この事件はあくまできっかけに過ぎず、「Personal is political(個人的なことは政治的なこと)」につながる重要な要素の1つとして描いています。何がきっかけで、どんな背景があってこの事件が起こったのか。1つの事件の裏にはいろいろな要因が重なっている。つまり、他人事ではないんだということを伝えられたらと思っています。第1話終盤の御上のセリフや神崎の新聞記事など、すべてが少しずつつながっていく展開を楽しんでいただけたら。