宝塚歌劇団出身の俳優・貴城けいが30日、東京・有楽町朝日ホールで上演される音楽朗読劇『ひまわりの歌〜ヘブンズ・レコードからの景色〜』フォトコール・囲み取材会に主演の佐野晶哉(Aぇ! group)、波岡一喜とともに登壇した。
【写真】いい笑顔!“Aぇポーズ”姿を披露の佐野晶哉&貴城けいら
物語は2000年、夏。阪神淡路大震災から5年後の神戸を舞台に、4つのストーリーをオムニバス形式でつむぐ。生演奏やイメージ映像を盛り込んだ、ちょっぴり切なくも前向きな音楽朗読劇する。1月17日の阪神・淡路大震災から30年の節目に神戸で初日を迎えた。
宝塚在団中に被災した貴城は「劇団の前に阪急電車が横たわっていたり大変なことが起きた、と思った。なにが起きているかわからないなかで、お稽古にいかなきゃと。家が倒壊しているのを見てショックを受け、お稽古がないなと思って帰ったのも覚えています。あと少しで初日というお稽古をしていたので、それも残念でしたし、でもそれどころではないというのも感じました」と回想した。
30年を経て「改めてその時に受け継いでいかなきゃ。伝えていかなきゃという思いもあったけど忘れているようなところもあって、そこも反省しましたし、神戸で30年後に初日を迎えるこの舞台に立たせていただくこともまず、意味があること。被災者の方、ボランティアの方のこと、その時の優しさや強さを思い出して。普通は東京から神戸や大阪にいくことが多いですが神戸からやっていただいたことにも意味がある。神戸でいただいたものを胸に、しっかり東京公演でやっていきたい」と背筋を正した。
また大阪出身で当時は17歳だったという波岡は「マンションの取り壊しと思ったくらい(衝撃で)タンスが倒れて、テレビが飛んできた。午後から学校に行ったのを覚えています」と振り返る。「30年、どこかで忘れてしまうのもあったのですが初日に東遊園地で遺族の方が黙祷したり集まっているのをみてこれは忘れてはいけないと強い想いを再認識しました」と力を込め「忘れてはいけない記憶になっています」と改めて今作に臨む心境を明かす。
主演の佐野は今作をきっかけに親とも会話したことを明かし「身近にいる人の話でもこんなに阪神・淡路大震災のことを知らなかった。これをきっかけに知ることができて良い経験やと思うし、知らなくてはあかんことやから。(神戸公演では)僕と同世代、学生服のまま見に来てくれる方もいて、そういう方が家でお父さんやお母さんと語るきっかけになったらいいな」と願っていた。