映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』の日本版予告編が到着した。
『第97回アカデミー賞』長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた同作は、イスラエル軍による破壊行為と占領が今まさに進行しているヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区「マサーフェル・ヤッタ」の現状をカメラに収め世界に発信することで占領を終結させ故郷の村を守ろうとするパレスチナ人青年バーセル・アドラーと、彼に協力しようとその地にやってきたイスラエル人青年ユヴァル・アブラハームの活動を、2023年10月までの4年間にわたって記録したドキュメンタリー。
バーセルとユヴァルがパレスチナ人とイスラエル人という立場を越えて対話を重ね理解し合うことで生まれる友情、故郷の自由を願い強大な力に立ち向かい続ける人々の姿も映し出される。監督は彼らを含むパレスチナとイスラエルの若き映像作家兼活動家の4人が共同で務めた。
日本版予告編は、マサーフェル・ヤッタにあるバーセルの暮らす村をイスラエル軍の軍用車両が急襲し、ビデオで撮影していた彼に兵士が襲いかかる場面からスタート。バーセルとともに占領に抗ってきたハムダーンがユヴァルに「イスラエル人だろ? 侵略者の仲間など信頼できない」と厳しい言葉を投げかけるシーンや、ユヴァルが兵士に「祖国の暴挙を見過ごせない」と詰め寄る場面、マサーフェル・ヤッタの人々の日常、「一滴のしずくから、世界は変わる」というメッセージとともにバーセルとユヴァルが笑顔で互いの顔を見る様子が映し出されている。
ナレーションを担当した池松壮亮は「並外れた作品だと思いました。このような形でこの作品に賛同できることをとても光栄に思っています。異なるバックグラウンドを持つ4名の監督が親密に手を取り合い、同じ空の下の現実を伝えようと、ジャーナリズムへの献身と努力で世界に情報を伝えてくれました。決して他人事ではいられず、無関心ではいられませんでした。今作に出会えたことに感謝しています。今この映画を、是非観ていただきたいです」とコメント。
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1月8日(現地時間)の『ニューヨーク映画批評家協会賞』の受賞式では、作品賞を受賞した『ブルータリスト』のブラディ・コーベット監督がスピーチの締めくくりに「最後に言いたいことがあります。『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』を配給する時が来ました」と述べ話題を呼んだ。
同作は2月21日よりTOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか全国で公開。日本はアジアでは最速公開となる。