「今のフジテレビはやはり皆様から信頼が落ちている状況だということは重々承知しております。そして、クライアントの皆様方にも非常にご迷惑をおかけしてるということは大変思っております」
こう語ったのは、1月28日付けでフジテレビの新社長に就任した清水賢治社長。30日、フジテレビと親会社であるフジ・メディア・ホールディングスの定例取締役会が開催され、終了後に、囲み取材に応じた。
中居正広(52)の女性トラブル報道に端を発する騒動への対応に揺れるフジテレビ。この日の取締役会では、社外取締役会をメンバーとする「経営刷新小委員会」の設置や今後の対応などについて議論が行われたという。
立て直しに向けて奔走するフジテレビだが、気になるのは、1988年に同局の社長就任以来、絶大な影響力を誇り、現在もフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビで取締役相談役を務める日枝久氏の去就。しかし、この日の取締役会にも出席した日枝氏の辞任について議論があったかと記者から問われた清水社長は「いいえ」とし、本人から進退の言及についても“なかった”と答えるのみだった。
27日には港浩一社長と嘉納修治会長が辞任し、遠藤龍之介副会長も3月末を目処に辞意を表明するなど、上層部の刷新が続いているが、あるフジテレビ関係者は「どちらにしても日枝さんの辞任がなければフジテレビは何も変わらないんです」とこぼす。その“カラクリ”を同関係者は明かす。
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「この会社は秘書室出身者が“おかしな出世”をしています。日枝さんの近くで側近として働き、忠誠を誓った順番に出世するという“システム”があるのです。参加者を制限して批判を浴びた最初の会見に出席した石原正人常務も、報道局長を務めていた時期はあまり振るわず、その後秘書室長になったのですが、それから5年でみるみる出世して常務になりました。17年に社長に出世した宮内正喜元会長も秘書室出身ですし、社内で問題を起こしたある人物も、秘書室への異動後に部長として“特進”しています。
結局、日枝さんが退陣しないかぎり、こうした“院政”は何も変わりません。各所にいる子飼いたちのせいで、どこかで腐敗がまた始まってしまうと思います」
フジテレビの礎を築き、数十年にわたって“絶対権力者”として君臨する日枝氏。玉座から降りる日はくるのか——。
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