日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『リアル・ペイン〜心の旅〜』をレビュー!

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2025年01月31日 17:10  週プレNEWS

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日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。「本当の痛み」を見つめる、悲喜こもごものロードムービー!

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『リアル・ペイン〜心の旅〜』

評点:★4点(5点満点)

人間はヘンテコで愛らしくて寂しい

ユダヤ系アメリカ人のいとこ同士が、死んだ祖母のルーツを辿(たど)って、ポーランドでのホロコースト・メモリアル・ツアーに参加するという、一種のロードムービーである。

監督・主演を務めたのは俳優のジェシー・アイゼンバーグで、2022年の『僕らの世界が交わるまで』に続く監督2作目だが、主人公2人の心の機微を丁寧に描くと同時に、解釈の余白を残して味わい深い。

アイゼンバーグ演じる主人公デヴィッドには定職があり、ニューヨークで妻子と幸せな生活を営んでいるが、いとこのベンジーは今もフラフラと根無し草のような生活をしている(らしい)。

そんなベンジーは突発的で、ときに幼稚だが社交性が高く、どこか憎めないところがあって、他のツアー客ともすぐに打ち解けることができる。反面、彼にはおそろしく繊細な部分があり、心には深い傷も抱えている(ようだ)。

文章で書くと陳腐になってしまうが、そんなベンジーをキーラン・カルキンが見事に説得力を持って演じており、彼とジェシー・アイゼンバーグの化学反応が作品を非常にチャーミングなものにしている。

「設定」や「属性」では決して割り切れない、人間のヘンテコさと愛らしさと寂しさが詰まった一作である。

STORY:NYに住むユダヤ系アメリカ人のデヴィッドといとこのベンジーは、最愛の祖母の遺言によって、ポーランドのツアー旅行に参加することに。正反対な性格のふたりは時に騒動を起こしながら、自身の生きづらさに向き合っていく

監督・脚本:ジェシー・アイゼンバーグ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、キーラン・カルキン、ウィル・シャープほか
上映時間:90分

全国公開中

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