殺風景な部屋が割烹料理店風のキッチンスタジオに大変身……! 熟練の大工さんによるリフォームが「すばらしい職人技」とYouTubeで話題です。動画は、記事執筆時点で30万回再生を突破しています。
動画を投稿したのは、職人歴50年を超える現役大工「正(しょう)やん」さんのYouTubeチャンネル「大工の正やん」。以前には、自宅食品庫のリフォームや“吊る押し入れ”を作る様子が話題になりました。
今回は、福井・敦賀の「越前かに問屋ますよね」とコラボし、コンクリート床の殺風景な部屋をYouTube収録用のキッチンスタジオに改装します。
部屋は約6畳と狭いため、作業のしやすさを考慮してキッチンは据え付け済み。正やんさんは、キッチンの周りにカウンターや腰板(壁の下部に張る板)などをしつらえます。
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キッチンスタジオなので、カウンターはキッチンとほぼ同じ高さに設置しました。素材にはヒノキの大きな一枚板を使用。耳(表皮に近い部分)も残しており、自然の風合いが感じられます。正やんさんによると、これだけの大きさのヒノキをカンナで削ったのは、約20年前にすし店のカウンターを削ったとき以来だそうです。
キッチンスタジオ入り口の引き戸も和風にし、その枠をやはりヒノキで作りました。ノコギリとノミを使い、木材にホゾ(突起)やホゾ穴を難なく作っていきますが、その何気なさにかえって熟練の技が感じられます。
カウンターは、入り口から向かって右側の部分が壁に接するので、キッチン裏に木材で組んだ構造に固定するとともに、右側の壁の中の構造にも固定します。一方、左側は壁に接しないので、自然の形状を残して仕上げた丸太をカウンターと床の間に入れて支えます。
丸太は真っすぐ切るのが難しいですが、真っすぐでなければ収まりが悪いと説明する正やんさん。収まりが悪くて調整していくと余計に悪くなるとも言います。それでも丸太を扱うのが好きなのだそうです。「丸太を扱うのがうまい」と表現しないところに、内なる自信が垣間見えます。
カウンターをしっかり固定したら、次にカウンター下と周囲の壁の腰板を取り付けていきます。これもヒノキ製です。腰板と床が接するところに巾木(はばき)という板を、腰板の上端に帯という板を横方向に取り付けると腰板周りの完成です。
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腰板上端の帯の高さはカウンターの高さに、帯の幅はカウンターの幅にそれぞれ合わせています。このように水平ラインを合わせることで、全体に“すっきり感”が出るそうです。
最後に、腰板から上の壁にボードを張り、壁と天井の角に“回り縁”という板を取り付けるところまでを収録。その後、壁クロス、床と天井、引き戸などをしつらえ、割烹料理店のような和の雰囲気いっぱいのキッチンスタジオが完成しました。
長年の経験が感じられる素晴らしい仕事ぶりに、コメント欄では「かっこいい」「木の温もりを感じられる最高のキッチンですね」「仕上がり素敵すぎる」「めっちゃびっくりした!」「やはりプロですね」という反応が寄せられています。
また、この工事を依頼した「越前かに問屋ますよね」も「とてもカッコ良いスタジオにしてくれて、とても満足しております」とコメントしました。
正やんさんは、YouTubeチャンネル「大工の正やん」のほか、Xでも大工に関する豆知識や仕事風景などを発信しています。
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動画提供:YouTubeチャンネル「大工の正やん」
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