JR『吉祥寺』駅北口から徒歩約5分。居酒屋やスナック、ガールズバーなどが林立するエリアの雑居ビルにシークレット・バー『PARIS』はある。黒い看板にはロゴとみられる“シャンパンタワー”が。まもなく開店から2年になろうとする1月21日、いずれも同店の従業員・宮島梨紗容疑者(20)、高澤楓容疑者(32)、千葉南音容疑者(27)が警視庁に逮捕された。
「逮捕容疑は風営法違反などです。東京都公安委員会から風俗営業の許可を受けず、客席に同席するなどの接待をして、遊興および飲食をさせる営業をした疑いです。3人は警察の取り調べに対し、“弁護士と話をしないと話せません”と黙秘しています」(全国紙社会部記者、以下同)
繰り返された“ぼったくり”営業
この違法営業には背景がある。
「宮島容疑者らは昨年5月と6月、マッチングアプリで知り合ったいずれも20代の男性とデートを装い、勤務先のバーに誘導して“ぼったくり”を繰り返したとみられています。従業員であることを隠して“以前から行きたかったお店がある”などと誘うと、デートのフリを続けて客席に座り、飲み放題コースを注文。カードゲームなどに興じ、罰ゲームとして飲み放題対象外のショットをガンガン飲ませるなどして高額請求する手口だったようです」
同店をめぐっては「高額な飲食代を請求された」とする通報が約10件あるという。
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同店のシステムによると、飲み放題2500円〜、1ドリンク制800円〜、テーブルチャージは500円。高額請求のポイントは《〜》にありそうだ。
一部報道によると、会計で持ち合わせのない男性客にATMで現金30万円を引き出させたり、クレジットカードで10万円相当の金製品を購入させるなど強引な取り立てだった。
大東建託が毎年調査・発表する首都圏の『住みたい街(駅)ランキング』で6年連続トップを守る吉祥寺。駅の反対側には『井の頭恩賜公園』があり、おしゃれなブティックや飲食店などが多く、若者に“ジョージ”と呼ばれ人気を集めたこともある。そんな街だからこそ、同店は悪目立ちしていたという。
「昨年末、ベロベロになった20歳前後の女性が若い男性ら5、6人と肩を組みながら店から出てきて、なんだか淫靡な雰囲気だった。女性はギャル系ファッションでしたね。あの店は、ゴミをそのへんに捨てたりしてマナーが悪く、周りも困っていたみたい。“あの店はよくないことをしている”とウワサになっていたけど、ここは吉祥寺だし、本当にぼったくりをしていたとは驚いたね」(地元の男性)
店内にはダーツやカラオケがあり、ノリのいい曲で「フーフー」と大声で合いの手を入れるなどして盛り上がっていた雰囲気もあったという。
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「ウオー!!」と大きな奇声をあげて
同店を利用したことのある男性客はこう話す。
「宮島容疑者はフツーの女子大生っぽいファッションを好み、それなりに遊んでいそうな清楚系ギャルといった印象です。店は2部制で、逮捕後に聞いた話では、容疑者3人とも本来は夕方から午前0時までの部のスタッフだそうです。私はぼったくられていませんが、店はそんなに儲かっていない感じでした」
逮捕容疑と同時期の昨年5〜6月ごろの夕刻、気になる場面が目撃されていた。
「店の前でお客さんらしき男性が抗議し、男性スタッフと揉めていたんです。スタッフは乱暴な口調で突っぱねていたので、出入り禁止の客を追い返そうとしているのかなと思いましたが、いまになって考えると、請求額をめぐるトラブルだったのかもしれません」(同店が入居するビルの出入り業者)
ほかにも、店から出てきた客がなぜか「ウォー!!」と大きな奇声を上げていたり、店が外部と遮断するように二重扉を閉めていたなど、異様な雰囲気の目撃証言があった。
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前出の記者は言う。
「千葉容疑者は2年前、従業員として勤めていた新宿・歌舞伎町の“ぼったくりバー”で、当時18歳の女子高生ら2人を勧誘したとする職業安定法違反(有害業務目的労働者募集)容疑や、客から不当に高額な料金を取り立てたとする東京都ぼったくり防止条例違反の疑いで逮捕歴があります。SNSで《ギャラ飲み》などと募集し、面接時に運転免許証の写真を撮っていたため、女子高生は“住所を知られて怖くて断れなかった”などと話しました。その店は経営者も同時に逮捕されましたが、千葉容疑者はその後、不起訴になっています」
懲りずに場所を変え、再び、ぼったくりを繰り返したのだろうか。全容解明に向け、捜査の進展が待たれる。