大分、東京、そして世界との架け橋に…活躍続ける俳優の近藤雄介が故郷の魅力発信!

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2025年02月03日 07:32  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

別府市のプロモーションムービー撮影で高崎山自然動物園を訪れた近藤雄介(撮影・松尾幸之介)

<情報最前線:エンタメ>



架け橋のような存在となる。俳優や声優としても活動する近藤雄介(32)が地元大分と東京、そして世界をつなぐ存在となるべく奮闘中だ。


今年も放送中のフジテレビ系ドラマ「アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班〜」(火曜午後9時)出演など活躍を続ける一方、同じく1月解禁の大分県の魅力を発信するプロモーション映像では、メインキャストとして温泉などをPR。さらなる飛躍を目指す1年と故郷への思いを聞いた。【松尾幸之介】


   ◇   ◇   ◇


■「地元っていいな」


湧き立つ湯煙のように、近藤は真っすぐと上を見つめた。昨年11月。久しぶりに訪れた大分の地で、プロモーション映像の撮影に臨んだ。ニホンザルで有名な市内の「高崎山自然動物園」や「大分マリーンパレス水族館 うみたまご」、別府市では地獄めぐりに出かけ、共に国指定名勝のコバルトブルーが美しい「海地獄」、赤い熱泥で日本最古の天然地獄とされる「血の池地獄」などをめぐった。


「懐かしいですね。昔、来たことがありますが、のどかな空気だったり雰囲気は全然変わってないです。今回あらためて大分っていいな、地元っていいなとしみじみと感じられています」と笑顔をみせた。


別府八湯のひとつ、明礬(みょうばん)温泉で人気の「えびすの湯」では入浴シーンもこなした。硫黄の香り漂う乳白色の大露天風呂で空を見上げ「気持ちいいですね。えびすの湯さんは、実は同級生の親友も働いているんですよ。こうしてお仕事で戻ってこられたのはうれしい。そうした活動をどんどんやっていきたいですね」。


その後は同所で人気の地獄蒸しカットも撮影。実際に試食も行い「東京のテレビなどでもよく取り上げられていると思いますが、これが本当においしいんですよ。普通に蒸されたものとは全然違う。味はなかなか伝わらないと思うので、これはみなさん来てみるしかないですね」と笑った。


完成した映像は、1月20日から大分空港の足湯コーナーや大分市内の幹線道路沿いの大型ビジョンなどで放映が開始された。国内はもちろん、海外観光客らの誘致も狙ったもの。「僕は大分で生まれ育ちましたし、故郷の伝えたい魅力はまだまだたくさんあります。今回は鮮やかな映像とシンプルでわかりやすい構成になっているので、海外の方にもどんどん広まっていってほしいです」と期待を込めた。


■プロ目指した野球


今年で役者生活10年目の節目でもある。大学までプロを目指して野球に打ち込み、数球団から興味を示される存在だったが、悩んだ末に同時にオファーされていた俳優としての道を選んだ。小劇場での舞台から始まり、徐々に映画やドラマなどに進出。声優としてもアニメ映画「BLUE GIANT」や「竜とそばかすの姫」などに立て続けに出演を果たした。特に「BLUE GIANT」では、仙台から上京して夢を追う主人公の兄雅之を熱演。「作品の内容が自分の姿にも重なり、見た時は何度も泣いてしまった」と振り返った。


「駆け出しの頃はアルバイトも掛け持ちで、その先の未来がどうなるかもわからない中で踏ん張っていました。でも、大分での思い出と同じように、あの頃があったから今があると言えます。縁やめぐり合わせはどうつながるかわからない。事務所のみなさんにも助けられていますし、周囲の方への感謝の気持ちを忘れずに、これからもやっていきたいと思っています」


■「絆大切にしたい」


22年に「日経エンタテインメント!」で紹介されたドラマ・映画の20代男性俳優出演数ランキング(21年7月〜22年6月まで)では、磯村勇斗、岡山天音らと並ぶ3位(13本)に入った。がむしゃらに駆け抜けた20代を終え、地元への貢献も強く考えるようになった。23年には別府市内で行われたイベントで、セルフプロデュースをテーマとしたトークショーに出演。今回の映像解禁でも地元ラジオ番組に出演してPRを行うなど、「地元との絆を大切にしたい」と精力的に活動している。「同じ業界だけでも大分から東京に出て活躍されている先輩や同級生は多くいます。大分出身というだけで見てしまうんですよね。とても刺激を受けていますし、いつかはそうした方たちとも協力して何かできたらいいなと思っています」と力を込めた。


■また東京で頑張る


今後については「地上波のドラマや映画でより良い役をいただけるよう成長して、お仕事を通じても元気な姿を届けること。それに尽きます」と話した。歌手活動経験もあり、「自分に重なる部分もある」としたソロ楽曲のタイトルは「僕らは必ず出来るから」。歌詞にある通り、母親から「あんた、これからどうするの?」と聞かれた際の思い出などもよみがえるという。「久しぶりに帰省できて、本当に楽しかったです。また、東京で頑張ります」。さまざまな可能性を探りながら、近藤は挑戦を続けていく。


◆近藤雄介(こんどう・ゆうすけ)1992年(平4)10月11日生まれ、大分市出身。中学時代は硬式野球クラブに所属。陸上競技にも励み、中学3年時にジュニアオリンピック400メートル県代表、駅伝で県大会区間賞など活躍。高校は情報科学に進学し、東京国際大では約200人を束ねる野球部主将。卒業後に芸能界入り。俳優としてアリゲーターに所属し、声優として系列のクロコダイルとも業務提携。19年映画「恐怖人形」、ドラマは21年TBS「プロミス・シンデレラ」、22年テレ東「警視庁考察一課」、23年テレ朝「泥濘の食卓」、24年フジ「院内警察」、舞台も「修羅雪姫」「フラガール」など多数。趣味のゴルフはベスト79。1級小型船舶免許も所持。182センチ。血液型O。


「知名度がまだまだだと痛感」(「大分産こだわり」映像制作 穴見代表)


今回のプロモーション映像は大分県内で民泊・インバウンド事業やよろず屋事業などを手がけるBe.Crewの依頼で実現した。観光面などでの県内の活性化を目指して設立されたばかりの企業で、穴見健伍代表は「県外や海外で活動している際に『大分ってどこ?』『何があるの?』と聞かれることが国内でも多くあることに気付き、知名度がまだまだだと痛感しました。今回は旅行風な観光名所めぐりをテーマに、海外にも言語の壁を越えて魅力を伝えられるような作品とし、制作側も演者側も『大分産』にこだわりました」と力を込めた。


近藤については「以前から知っていて、活動に注目していた」といい「実際にお会いし、大分を代表する役者になるという高いマインドを持たれていることに感動しました。活動を応援する一助にもなればという思いで今回お願いさせていただいた次第です。スタイルも良く、さわやかなイメージがとてもマッチしたなと思っています」。今回は大分と別府市内で撮影を行ったが「まだまだ県内に魅力的な場所はある」とし、続編の構想などにも思いをめぐらせていた。


「心にピーターパン」(PR映像共演 霜村香帆)


プロモーション映像では、大分県内で活躍するタレント霜村香帆とも共演した。霜村は「大分県には海、山が両方あり、人も温かいです。撮影で私も知らない魅力を知ることができました」。近藤については「各シーンごとで笑わせるような話をしていただいて思い出になりました。クールな方なのかと思いましたが、意外と“心にピーターパン”というか、少年のような若き発想で夢を追いかける方でした」と話した。

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