限定公開( 2 )
1月31日、フジテレビが4月9日に予定していた大型音楽特番『FNS歌謡祭 春』の放送が中止になったと、「スポニチ アネックス」が報じた。記事によると、《中居正広氏(52)の女性トラブル問題を巡って大幅減収となった中、制作費をかけられなくなったことが理由》だという。
『FNS歌謡祭』は74年にスタートし、毎年放送されている長寿番組だ。音楽ファンからの評価が高く、フジも長年力を入れてきた番組なのだとテレビ局関係者は語る。
「セットや演出、生演奏へのこだわり、ミュージカル曲の充実など独自の路線を貫いており、毎回しっかりとお金をかけて制作している印象です。『春』は不定期放送ですが、今回は昨年『冬』の好評を受け、22年以来の目玉特番として放送予定でした。
しかし、今回は中居さんの騒動の影響でCMスポンサーの目途が立たず、中止となったようです。フジ・メディア・ホールディングスの発表によれば、25年3月期連結決算でフジの広告収入が従来の見通しから233億円の減少になるとされているので、制作費が捻出できなかったのでしょう。
同番組は90年代からグランドプリンスホテル新高輪内の『飛天』を貸し切って、豪華絢爛な特注のセットを組み立てて、そこから生放送する形式になりました。二つの向かい合ったステージの間に用意された円卓で出演アーティストたちが観賞するというスタイルも見どころでしたね。ここ2年はフジテレビ本社のスタジオがメインの会場となり、やや規模が縮小したように見えますが、それでも制作費は約5000万円以上かかるといわれています」
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中居騒動の余波を受けているのは『FNS歌謡祭』だけではない。ほかにも存続が危惧されている番組があるという。
「人気特番の『逃走中』は街や大型施設の協力のもと撮影しているのですが、騒動の影響で場所がなかなか提供してもらえず、制作が難航しているそうです。さらに、ロケ地問題でいえばドラマはもっと深刻でしょう。ロケを諦めてセットでの撮影となると制作費はかさみますしね。
そもそもフジのゴールデン帯のドラマは1話を3000〜3500万円程度で制作しています。これは“ドラマのTBS”と言われるほどドラマ制作に力を入れているTBSと同程度の額で、テレビ朝日や日本テレビと比べると約1.5倍です。スポンサーが次々と撤退しているなか、この支出は痛手でしょう。黄金期を築いた『月9』は死守するとしても、そのほかの枠は縮小という判断になってもおかしくありません」(前出・テレビ局関係者)
制作費の問題でいえば、人気バラエティ番組も例外ではないそうだ。
「出演者のギャラが高額で、バラエティのなかでも特に制作費が高い番組は危険です。『ネプリーグ』や『ホンマでっか!?TV』などは一回の制作費が1500万円程度と言われています。他局の人気バラエティでいうと、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)が約600万円、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)が約700万円なので、比べると高額ですね。
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また、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』はスペシャルの際、STARTO社のタレントに大規模なドッキリを仕掛けるのが定番となっています。過去には一度で2000万円をかけるような大がかりな仕掛けもありました。このコーナーも数字はとれますが、決してコスパがいいとは言い切れないので、今の状況ではなくなってしまう可能性もありますね」(前出・テレビ局関係者)
かつて「楽しくなければテレビじゃない」とのスローガンを掲げていたフジ。今求められているのは楽しい番組を作ることよりも制作費を抑えることなのかもしれない……。
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