京都大などの研究グループは3日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を使って仏教的観点から悩みに回答する「ブッダボットプラス」が、ブータンで導入されると発表した。同国はチベット仏教が国教で、僧侶が使用するほか、一般国民の利用も検討されている。
研究グループは2021年、ブッダと弟子のやりとりをまとめた仏教経典をAIに機械学習させた「ブッダボット」を開発。23年にはチャットGPTを活用し、経典の文言の解釈や説明も加えて回答する「ブッダボットプラス」に改良した。
同グループはブータン政府から導入の要請を受け、ブッダボットプラスの英語版を24年に完成させた。同国では、僧侶も含めほぼ全ての国民が英語を理解できる一方で、若者の仏教への関心が低下しつつあるという。
25年度に100〜200人の僧侶が試験的に利用し、改良した上で使用のためのガイドラインを策定する。26〜27年度からは僧侶の一般使用を開始し、市民も利用できるようにするか議論も進める。
記者会見した同グループの熊谷誠慈・京都大教授(仏教学)は「国家レベルでの導入は初めて。日本も寺院の減少が見込まれ、仏教の教えを聞く機会を多くの国民に提供できる可能性がある」と話した。