タイキシャトルなどの父デヴィルズバッグを深掘り 多くのGI馬を支える名血の影響力

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2025年02月04日 08:00  netkeiba

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デヴィルズバッグを父に持つタイキシャトル(撮影:高橋正和)
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【デヴィルズバッグ】

 1983年夏にデビュー。米G1シャンペンSを6馬身差で圧勝するなど、10月末までに5戦全勝の成績を残し、米最優秀2歳牡馬に選出されました。大きな期待を集めて3歳シーズンを迎えたものの、年明け2戦目のフラミンゴSで断然人気を裏切り4着。その後、弱敵相手に2連勝したものの、クラシックに出走することなく3歳春に引退しました。通算9戦8勝。

 3歳時は重賞を勝てず、尻すぼみの競走生活だったとはいえ、カナダ年度代表馬グローリアスソングの全弟にあたる良血。種牡馬としての期待は大きく、巨額の種牡馬シンジケートが組まれました。しかし、大きな成功を収めることはありませんでした。日本で走ったタイキシャトル(ジャックルマロワ賞、マイルCS2回、安田記念、スプリンターズS)、アメリカのダート中距離路線で活躍したデヴィルヒズデュー(米G1を5勝)が目立つ程度です。

 タイキシャトルは日本でスピード型の種牡馬として成功。メイショウボーラー、ウインクリューガー、サマーウインド、レッドスパーダなどを出しました。デヴィルヒズデューの息子ロージズインメイはドリームバレンチノやコスモオオゾラ、サミットストーンなどの父です。

 基本的にはスピードを伝える血で、ダート向きの力強さもあります。全姉グローリアスソングの仔にラーイ、シングスピール、全弟セイントバラードは米チャンピオンサイアー。近親に多数の活躍馬がひしめいています。

 ストレイトガール、ワンアンドオンリー、サトノダイヤモンド、ドゥラエレーデ、レーヌミノル、ユーバーレーベン、サークルオブライフといったGI馬はデヴィルズバッグの血を抱えています。血の影響力は優れています。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「日本でミスタープロスペクター系が天下を取ることはありえる?」

 日曜日に行われた2つの重賞、シルクロードSと根岸Sは、いずれもミスタープロスペクター系が1、2着を占めました。わが国でこの系統が総合リーディングサイアーの座についたのは、2010、11年のキングカメハメハ、2023年のドゥラメンテの計3回です。

 サンデーサイレンス系は、1995年以降、上記の3回を除いてすべてリーディングサイアーの座にあります。ただ、昨年の総合種牡馬ランキング上位10頭の顔ぶれを見ると、サンデーサイレンス系3頭、ミスタープロスペクター系3頭、ロベルト系2頭、ノーザンダンサー系2頭と、群雄割拠といった状況です。

 2024年は、キングカメハメハだけでなく、パレスマリス(ジャンタルマンタル、ノーブルロジャー)、レモンドロップキッド(レモンポップ、ガビーズシスター)、イルーシヴクオリティ(パンジャタワー)、ドバウィ(ヴァルツァーシャル、エトヴプレ)といったさまざまなラインから活躍馬が誕生しました。レモンポップは今年から種付けを開始し、ジャンタルマンタルもいずれ種牡馬入りするでしょう。

 サンデーサイレンス系の牙城を崩すのは容易ではありませんが、長い目でみれば、ミスタープロスペクター系がわが国の主導的なラインとなる可能性は十分考えられます。

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