「毒親育ちが連鎖を恐れて」子を持たない選択も勇気ある決断…毒親育ちの女性の“思い”に共感の声「同じ苦しみを味わせたくない」

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2025年02月04日 08:00  まいどなニュース

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毒親育ちの人は子どもを持たない選択も勇気ある決断だという投稿がXで話題に(photoACより「go-kyo」さん撮影、イメージ画像)

「毒親育ちが連鎖を恐れて子供を持たないと選択することは、いるはずだったかもしれない自分の子への、究極の愛情だとも思う。勇気がある決断であって、否定されることではない。」

【話題になった投稿】実際の投稿を見る

毒親育ちという女性のつぶやきがX(旧Twitter)で話題になりました。

投稿したのは、二児のママ「きょー」さん。子どもを言動で傷つけたり、過剰な教育やしつけなどで支配したりするいわゆる「毒親」に育てられた人は、自身が親になった時も自分が親から受けてきたことを子どもにしてしまう可能性があるため、子どもを持たないという人生を選ぶことは英断だという思いをつづりました。投稿には、同じく毒親育ちの人たちから「泣きそう」「ありがとう」など共感や感謝の声、さまざまな意見が寄せられています。

「その優しさに+αで毒は希釈できる」「産むのも産まないのもただのエゴ」

「ジーンとしました。毒親育ちで子供きらいだけど、自分でも気づかない子供への愛だと思えば自分のことも少しは好きになれそう」
「その優しさに+αで毒は希釈できることも覚えておいて欲しい。苦しいかもしれないけどだめな選択肢を自覚できる時点で前の代より成長している。だから資格がないからと諦めなくても良いはず」
「私も毒親育ちで近くで施設育ちの子も見ていたので、どうしても自分の子ども!というより不幸な子どもがいないようにしたいというのが私の願いです。大人のエゴで産まれた子をまず救いたいと思うので施設への寄付や里親も検討しています。このポストがすごく嬉しいです。」
「私も好きな人と結婚して好きな人との子供欲しかった 毒母は絶対私の思い通りの相手と結婚させたくなかったみたいです」
「私はその理由で子供を持ちませんでした。同じ苦しみを味わせたくなかった。自分が立ち直れた時に養子を迎えることだってできると思った。結局まだ立ち直れていないけど。
それが正しかったかどうかはわからないけど、自分が連鎖を断ち切ったことだけは認めてやれると思っています。」
「産まないのが最大限の愛情なんじゃなくて、産むのも産まないのもただのエゴでしかないんだと思います。子が幸せを感じられて初めて愛情が成立するのだから。産まれなきゃその可能性すら無いのだし。別に自分の為だっていいんですよ。」
「わかる。子供、幸せにしようって思って頑張って育てたけど、傷つけてしまった事は多かったのかもしれない。ちゃんとした子育て知らないから…そうなんだよ、自分の経験なんて碌な経験じゃ無いんだから」

毒親育ちながらお子さんを持ったという「きょー」さん。どうして今回「子どもを持たない選択」について投稿したのか。その思いを聞きました。

二児のママ「良くも悪くも親にやられたことを子どもは自分の子どもにやるんだなと分かった」

ーー今回投稿しようと思った理由は。

「自分が育児をして、良くも悪くも親にやられたことを子どもは自分の子どもにやるんだなと分かりました。夫は穏やかで幸せな家庭で育てられたので、子どもがわがままを言っても、キレたり当たったり、そもそもイライラしたりしません。私は連鎖をしないよう、細心の注意を払いながら子どもと接して優しくしているつもりですが、事あるごとにイライラをぶつけたくなります。親にやられていたように。毒親育ちの子育ては、すごく注意を払わなければ連鎖させてしまうんです」

ーー自身の子育てで、連鎖させてしまう危機感があったと。

「それを分かったからこそ、事前に『私は親にされたように子育てしてしまうかもしれない。子どもと適切に関われない可能性が高いから子どもを持たない』と決めるのは、不幸な子供を増やさないための最良の決断なのだと思いました。ほとんどの人が、心の奥底では子育てしてみたいという気持ち、あると思うんですよね。それでも持たない決断をするのは、その子を守ったことになると思うんです。私はその決断をたたえたい。誰も見向きもされないところで、子どもを守った優しさをたたえたいです。子どもは生まれてきたから幸せなんじゃないんです。安心できる家庭で育つから幸せなんです。毒親に育てられると、生まれてきて幸せとは思えないですよ」

「育て方を間違えた」と毎日のように言われた子ども時代

ーーきょーさんも毒親育ちとのこと。過去の親御さんから受けたことは。

「『育て方を間違えた』と毎日のように言われたり…両親が不仲でお互い話さないので子どもの私が会話を取り持つような家庭でした。お互いの悪口を子どもに毎日聞かせ、自分の肩を持ってもらおうと両親は必死だったようです。特に母ですが、仕事から帰ってきたときの機嫌がとても悪く、何か自分が失敗するたびに『あんたがイライラさせるからや!だから私が失敗したんだ!』と当たり散らす人でした。自分のストレスを子どもに当たることで発散する人でしたね…」

ーーとはいえ、2歳と0歳のおふたりのママさん。お子さんを持とうと思われた理由を教えてください。

「経験できなかった温かい家庭で生きてみたかった、それだけです。毒親育ちの弊害が子育てにこんなに大きいとは思いませんでしたが、子どものかわいさに癒されてます。私は連鎖を断ち切り、幸せな子ども時代を我が子にプレゼントしたいです。でも、怖くてできない人もいます。それはすごく分かります」

「子どもにとっての幸せを第一優先する覚悟を持って子育てに挑むべき」

ーー現在きょーさんご自身が毒親だと感じることはありますか。

「毒親だと感じるのは、子どもが甘えてきた時にふいにイライラしてしまうところや、忙しいときに『これをやって』と言われると、怒りたくなります。毒親ではないと思うのは、意識してやってるだけですが、子どもに愛情を言葉で伝えられるし、抱き締められる。怒声を浴びせたことはありません。夫婦喧嘩を子どもに見せたこともないです」

ーー同じ毒親育ちの人から共感のコメントがたくさん寄せられました。

「投稿の意味が分かる人もいれば、理解できない人もいます。同じ毒親育ちでも、子どもを持たない理由は千差万別です。でもこの投稿で救われた、という人には、『私はあなたの優しさが分かってるよ』ということを伝えたい。少子化で子どもを持つことが正義のように言われますが、私は絶対に違うと思う。子どもを安心できる家庭で育てられる人が子どもを持つべきです。親も完璧じゃないのは分かりますが、子どもにとっての幸せを第一優先する覚悟を持って子育てに挑むべき。毒親に育てられるのは、本当に本当に不幸です。産まない選択もまた不幸な子供を増やさない最良の選択。産めば偉いわけじゃないと思います」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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