寒がり上司のせいで、オフィスは室温25度超え 真冬に薄着しても汗だく「冬服が義務づけられているのに…」【社労士が対策解説】

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2025年02月04日 11:50  まいどなニュース

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冬服では暑すぎるオフィス…どうしたらいいの? ※画像はイメージです(達也 山崎/stock.adobe.com)

寒い冬の朝、Aさんは息を白く吐きながら会社へと向かいました。コールセンターで働き始めて1年目のAさんは、真面目な性格で遅刻することなく出勤を続けています。

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会社に到着するとAさんは更衣室へ向かい、冬服の下に着ていたインナーを脱いで薄手のものに着替えます。Aさんが勤めるオフィスは温度設定が高くなっており、外気との温度差が激しいため着替えが必要だったのです。

オフィス内は異常なほどの暖かさで、冬服を着たまま仕事をすると汗ばむほどです。温度設定の原因は寒がりの上司です。上司の指示で室温が常に25度以上に設定されているのです。

Aさんが周りの様子を見てみると、ベテラン社員たちは既に慣れた様子で薄着で仕事をこなしています。ただ、会社の規定で冬服の着用が義務付けられているため、誰も上着を脱ぐことはできません。

ある日、Aさんは耐え切れずに上司に相談してみます。しかし上司は「寒いと風邪をひくから暖かいほうがいいんだよ」と言って聞く耳を持ちません。このままでは暑さのあまり体調にも影響がでそうです。多くの人が無理をしてでも上司の寒がりに付き合わないといけないのでしょうか。社会保険労務士法人こころ社労士事務所の香川昌彦さんに聞いてみました。

ーAさんは上司の言い分に従わないといけないのでしょうか

労働安全衛生法の事務所衛生基準規則にて、空気調和設備を設けている場合の室温は18度以上28度以下になるように努めなければならないとされています。また環境庁は冬場の室温を20度に設定して快適に過ごせるよう「ウォームビズ」を提唱しています。

これらの取り組みもあり、多くの企業では20度を基準に空調管理をおこない運用しています。仮に上司が会社のルールを無視して室温を設定しているのであれば、Aさんは会社に対して改善を要求できます。その一方でルールの範囲内に収まっているのであれば、個人で対応しなければならないです。

ー上司に行動を改めてもらう方法はありませんか

暑い寒いは個人の主観なので、ルール通りに運用されていれば行動を改めてもらうのは困難です。空調の向きを変えたり席を替えたりして、個人差を補うしかありません。

また寒がりの上司用に足元に暖房器具を設置するのもいいでしょう。暑いと伝えても態度を変えてくれない上司に対応するには、Aさん側から歩み寄るしかありません。

大事なのは暑い寒いで対立軸を作らないことです。対立軸は争いのもとになり、職場環境の劣化につながります。相手の立場を慮って、双方が快適に過ごせる職場環境を目指していただきたいですね。

◆香川昌彦(かがわ・まさひこ)社会保険労務士 大阪府茨木市を拠点に「良い職場環境作りの専門家」として活動。ラーメン愛好家としても知られ、「#ラーメン社労士」での投稿が人気。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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