昨年衆院選、99%で手荷物検査=事件機に実施率急上昇―警察庁・岸田前首相襲撃

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2025年02月04日 14:01  時事通信社

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時事通信社

岸田前首相襲撃、事件現場を調べる捜査員=2023年4月、和歌山市
 2023年4月に岸田文雄前首相が襲撃された事件は、会場で手荷物検査などが徹底されず、爆発物が投げ込まれるのを許した。これを機に警察当局は、演説会では手荷物検査を原則として行うよう主催者に要請。昨年の衆院選では実施率が99%まで急上昇した。

 警察庁が23年6月にまとめた検証報告書によると、和歌山県警は受付の設置や金属探知検査を求めたが、主催者が「聴衆は漁業関係者のみ」として実施しなかった。木村隆二被告(25)は警護の目をかいくぐって岸田氏から約10メートルの位置まで接近し、事件を起こした。

 22年7月には安倍晋三元首相が銃撃され死亡する事件が起きたばかりで、教訓が十分生かされなかった。警察庁は岸田氏の事件後、主催者への働き掛けを強化。昨年10月の衆院選では、演説会の99%で手荷物検査、98%で金属探知検査が実施された。

 23年4月時点でこうした検査が行われていた会場は15%程度だったとされ、同庁の担当者は「理解が進んだ」と話す。

 木村被告は、組織に属さず単独でテロを実行する「ローンオフェンダー」(LO)とみられている。全国の警察は昨年からLOの情報収集を強化。衆院選の要人警護では注意を要する人物について「100%演説会場外で阻止できた」(同庁幹部)と胸を張る。

 ただ、LOは準備から実行までを一人で行うため、事件の前兆をつかみにくい。実際、衆院選期間中には、男が自民党本部に火炎瓶を投げ込み、首相官邸の柵に車で突入する事件が発生。逮捕された臼田敦伸容疑者(50)=鑑定留置中=もLOとみられている。

 今夏には参院選が予定されており、同庁幹部は「LO対策をより強める必要がある」と指摘。別の幹部は「何としても要人への接近を阻止する」と強調した。 

このニュースに関するつぶやき

  • 安倍さんが襲撃される前にもっと警備に力をにならなかった理由は何なんだろうね?それ慢心っていうんだよね?
    • イイネ!13
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