砂原が登場したのは、J-WAVEの番組『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐、山田玲奈)のコーナー「SUMIFUNOCHUKAI STEP DESIGN YOUR LIFE」。ゲストのライフスタイルを構築しているルーティンを伺い、ゲストの生活に欠かせない「お気に入りのモノ」を深堀りするコーナーだ。ここでは、2月1日(土)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
毎日、ジムで必ず行う運動とは?
お互いのことを長年知っていて、共通の知人も数多くいるという砂原と渡辺。だが、意外にもしっかりと話すのはほぼ初めてだという。渡辺:まず、お部屋の雰囲気などお教えいただけますか?
砂原:特徴がない普通の家で、私自身はほとんどの時間を別の場所にあるスタジオで過ごして、自宅には寝るために帰るくらいで……。あとは、体を壊したときは家にいるっていう。
渡辺:そりゃそうですね(笑)。スタジオにはもちろん機材があると思いますが、なにか自分なりのアイデンティティのあるものを置いていたりはしますか?
砂原:レコードとかCDとか楽器類、機材はあるんですけども、家には衣類ぐらいしかなくて、それ以外のものはほぼ全部スタジオにありますね。
山田:朝は家で起きて、なにをされるんですか?
砂原:はい。洗面をしたり歯を磨いたりして、すぐにスタジオに向かいます。
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砂原:届いているメールを見たりしてから、スポーツジムに行くんです。
渡辺:スポーツジムでおもになにをするんですか?
砂原:水泳です。これはもう毎日どんなことがあっても、遠征に行ったりしても、なんなら海外でもプールを見つけて泳ぎます。
山田:ちなみに何メートルぐらい?
砂原:毎日1キロ泳ぎます。
渡辺:すごい! 愛称のまりんさんは、それとなにか関係があるんですか?
砂原:それは関係ないです(笑)。泳いでるのは海じゃないんで。
砂原は2月10日(月)に、Spotify O-EAST、東間屋、duo MUSIC EXCHANGEという渋谷の3つの会場で開催される、坂本龍一トリビートフェス「RADIO SAKAMOTO Uday -NEW CONTEXT FES × DIG SHIBUYA-」に出演する。同イベントにちなみ、「朝に聴きたい曲」として砂原は坂本龍一さんの1984年の楽曲『PARADISE LOST』をセレクト。「わりと柔らかめのリズミカルな曲です」と紹介した。
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PARADISE LOST
坂本龍一さんは「独特な魅力がある人」
砂原と坂本龍一さんは、楽曲制作など仕事にまつわる接点はなかったと話す。砂原:ときどきイベントなどでみんなでいるときに話したり、突然「元気?」っていうだけのメールが届いたり、レコードに溝を刻む「カッティング」っていう作業があるんですが、「あれ、できますか?」と質問されたり。で、「いえ、できません」って(笑)。
渡辺:砂原さんは、細野(晴臣)さんとのお仕事や(高橋)幸宏さんとのユニットもあり、YMOの3人といろいろなかたちで出会われていますが、坂本さんはどういう人でしたか?
砂原:お会いする前には「坂本さん、けっこう厳しいよ」という話を聞いていたんですけど、実際に会うと、僕がほかの人と話しているところに急に入ってきて面白いことを言ったりしていましたね。子どもの頃からメディアをとおしていろいろと見てきましたが、非常に独特な魅力がある人だなと思います。
渡辺:さて、今のご自身の活動としては、TESTSETがありますね。
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渡辺:このバンドをやろうという背景には、どういう思いがあったんですか?
砂原:バンド自体は好きなんですよ。METAFIVEの代打として緊急に組んだ編成がこの4人で、そんな機会でもないと、この組み合わせは考えられないので「せっかくだから別のこともやってみようよ」となりました。
TESTSETは2024年10月に『EP2 TSTST』をリリースし、2025年2月5日(水)に「2525(ニコニコ)の日」と題されたNIKO NIKO TAN TANのライブにスペシャルゲストとして出演する。
渡辺:たとえばシンガーソングライターなら、年齢や経験を重ねると、自分の体験を歌にするようなことがあると思います。砂原さんは活動が長くなってきたなかで、なにか同じようなことはありますか?
砂原:やっぱり経験を積むと、わかってくることはあります。私にはエンジニア的要素が強い部分があるんですけど、たとえばミキシングとかしているときに、今起こっていることを若いときよりは冷静に判断できるようになりましたね。昔は入り込みすぎちゃって、わけがわからなくなっていたのが、年をとってきてだいぶ減りました。
渡辺:「こうすればいいんだ」っていう近道がわかるようになった?
砂原:「ここから深く入ると、わけわからなくなるから入っちゃダメだな」とか(笑)。
番組では、ここでTESTSETの『Sing City』をオンエアした。
TESTSET - Sing City (Official Music Video)
夜のリラックスタイムは時計の改造?
就寝時間は平均的に26時、27時という砂原。それもリラックスタイムというより、作業が中心。砂原:自分で制作をやっていて、日の出てる時間に「いいのできたわ」って思ったことは1回もないです(笑)。
渡辺:それだけいろいろ細かく凝ってらっしゃるんですね。
砂原:夜の暗い時間のほうが、作業は盛り上がる傾向にあるみたいです。
渡辺:時間に余裕があるときに、趣味的にやっていることはありますか?
砂原:あまりなかったんですが、数年前に腕時計を作るのにハマってたことがあります(笑)。
渡辺:キットみたいもので?
砂原:いえ、ちょっと高いメーカーの時計を持っていて、壊れていたんですけど、修理に何十万もかかる見積もりが出てきて、「これ、自分で直せないかなぁ」って。すると純正ではないサードパーティーの部品が使えることがわかって、それを調べているうちに、「これって、もう自分で時計を作れるってことじゃない?」と思って作り始めました。
渡辺:直すんじゃなくて、もう「作る」にいっちゃった。
砂原:はい、それで一時、時計がどんどん増えていって、人にあげたりとか。
山田:すごい!
砂原:ちょっと止まらなくなったんで、今はもう時計を作るのは自分の中で「禁止」。でも、「改造」はしてもいいルールにしています。
山田:もともと、そういう細かい作業がお好きなんですか?
砂原:いや、できあがったものを見たいっていう欲求だけで。よく「機材とかコンピューターを触るの好きでしょ?」って言われるんですけど、作業自体はあまり好きじゃなくて、結果に対する欲求だけで進んでいっている感じなんです。
重い布団と水路のある生活を
就寝時のルーティンはとくにないと言いつつ、砂原は意外なこだわりを吐露する。砂原:暖房はあまり使わず、部屋は寒いままでなるべく重い布団をかけて、体を固定しないと寝られないんです。
山田:もう寝返りなしで?
砂原:あんまりしないですね。ほぼ寝たときのままの格好で。
渡辺:でも布団って今、基本的に軽くなる傾向ですよね?
砂原:だから、たくさんかけたり、なるべく重いのを選んだりとかありますね。
そんな砂原は、夜のリラックスナンバーとしてDavid Sylvianの『Red Guitar』を選曲した。
渡辺:こういうロケーションに住んでみたい、こんな家を建てたい、借りたいといった理想はありますか?
砂原:家自体は普通でいいんですけど、家の周りに川というか水路ぐらいの大きさのものが流れてるところがいいですね。そのくらいの規模の水が流れる音が好きなんですよ。自然の水の流れる音は四方八方に広がっていくので、「スピーカーで聴けばいいじゃん」とかそういう話ではなくて、やっぱり生で聞きたいですね。
渡辺:へー、なるほど。でも、海の波とかじゃなくて小川なんですね。
砂原;そうですね。波は「ダーッ、ダーッ」っていう周期がありますよね。川はもうずっと「ダーーーー」じゃないですか。そこにリズムはあんまり求めてないんです。
渡辺:けっこう細かいところまで。
山田:さすがです。
砂原:滋賀県に針江っていう町があって、そこは生活用の水路があるんです。ずいぶん前にテレビで観たんですけど、「いや、これは最高だわ」って(笑)。一度ぐらいは行ってみたいですね。
山田:初めてですね、川。川というか水路。
渡辺:みなさん、海とか水が絡むことはけっこうおっしゃるんですが、水路まで絞られたのはなかなかない(笑)。
山田:ピンポイントでした。
砂原:まあ、小川ぐらいでいいんですけどね。
砂原良徳が出演する『RADIO SAKAMOTO Uday -NEW CONTEXT FES × DIG SHIBUYA-』の最新情報は、公式サイトまで。
『RADIO DONUTS』のコーナー「SUMIFUNOCHUKAI STEP DESIGN YOUR LIFE」では、ゲストのライフスタイルを構築しているルーティンを深堀りする。オンエアは毎週土曜の9時10分頃から。
番組情報
RADIO DONUTS
毎週土曜
8:00-12:00
渡辺 祐、山田玲奈
オフィシャルサイト