北野武監督明かす「記憶なく脳波調べた」ベネチア映画祭出品の際に頭ぶつけ 映画最新作会見

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2025年02月05日 17:21  日刊スポーツ

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「Broken Rage(ブロークンレイジ)」配信記念記者会見に出席した北野武監督(撮影・村上幸将)

北野武監督(78)が5日、都内で米Amazonの映画、ドラマ製作部門Amazon MGMスタジオとタッグを組み監督・脚本・主演を務めた最新作「Broken Rage(ブロークンレイジ)」(14日配信スタート)配信記念記者会見に出席した。


席上で、24年9月6日に世界3大映画祭の1つ、第81回ベネチア映画祭(イタリア)アウトオブコンペティションに出品された際、上映されるリド島に向かうボートに乗った時に頭をぶつけたと明かした。そのため、ベネチアでのできごとを「覚えていない」と言い、場内を笑わせた。


「Broken Rage」は「暴力映画におけるお笑い」をテーマにした62分の中編。北野監督の構想を元に、前半は警察とヤクザの間で板ばさみなった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する、裏社会を舞台に繰り広げられる骨太のクライムアクションを描いた。一方、後半は前半と同じ物語をなぞるコメディータッチのセルフパロディーとして描いた。主人公の殺し屋・ねずみを、同監督がビートたけしとして演じた。


北野監督は「島に行くのにボートに乗った。頭をぶつけて記憶にない。(日本に)帰ってきても記憶がないから、脳波を検査して。問題ないと」と、笑いながら口にした。「関係者に『ベネチア、どうだったの?』と聞いても悪いことは言わない。疑っていたら、映像でお客さんの反応を見せてもらって、良かったのかなと。恥ずかしい話ですけど、その時の記憶がない」と振り返った。さらに「痛みはないんですけど、脳波を調べたら、確かに衝撃を受けた様子ですけど、治っています。治っていない方が、いろいろなことを言えて面白いなと。ベネチアのことは、本当に覚えていない」と笑った。


この日は、ともにベネチア映画祭に出席した、ねずみを麻薬捜査の覆面捜査官として捜査協力させようとする井上刑事を演じた浅野忠信(51)福田刑事役の大森南朋(52)も出席した。浅野は「監督が頭をぶつけたのは伺っていましたが…あんなに楽しい時間を過ごしていて、覚えていないと」と言い、笑った。


北野監督がAmazon MGMスタジオとタッグを組み監督・脚本・主演を務める映画を製作する件は、24年6月19日に発表された。発表の際、新作のタイトルをはじめ詳細は明らかにされなかった。ただ、北野監督は「首」公開前の23年11月15日に都内の日本外国特派員協会で開いた会見で「暴力映画におけるお笑いというテーマで製作に入っています」と新作に着手したことを明かしていた。


麻薬売買を取り仕切るヤクザの若頭・富田を演じた白竜(72)クスリの売人役の國本鍾建(58)も出席した。

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