取り調べで黙秘したところ、検事から「ガキ」と言われるなどして精神的苦痛を受けたとして、元弁護士の江口大和さん(38)が国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が6日、東京高裁であった。松井英隆裁判長は江口さん側の控訴を退け、110万円の支払いを命じた一審東京地裁判決を支持した。
一審判決は昨年7月、発言は事件と関係がなく人格権の侵害に当たると認定。一方、一部の発言については違法性を否定したほか、計約56時間の取り調べが黙秘権の侵害だとする主張を退けたため、江口さん側が控訴していた。
松井裁判長は、一審と同様に「ガキ」などの発言を違法と判断。取り調べを続けた点は「供述を拒否する自由を奪うとは言えない」として、黙秘権の侵害を認めなかった。
判決後に記者会見した江口さんは「非常に残念で納得がいかない」として、上告する方針を示した。